サンパウロ市のパウリスタ大通りで1月30日午後、年金生活者らが連邦政府の社会保障制度改革に反対するデモ行進を行なった。1月31日付現地紙が報じている。
このデモには約2千人の年金生活者が集まり、オズワルド・クルズ広場からサンパウロ美術館(MASP)までの約1・6キロを行進した。
ユーモアを利かせ、今月上旬に控えたカーニバルにちなんで行なわれた。行進者は8つのグループに分かれ、サンバ音楽に乗りながら、点滴を受けている病人をベッドごと運ぶ人たちや、車椅子に乗った人を後ろから押すなどの演出が行なわれた。
年金生活者らは、生活費の高さや保険に入ることの難しさなどの問題を叫び、支給額の値上げや所得税の免税、社会保障予算の透明性などを求めながら行進した。
参加者は孫などを含む若い世代の将来についての心配を口々に語っていた。72歳の男性は「自分の孫は誰も労働手帳に登録していない。これから若者が定年しにくい世の中になる」と語った。60歳の女性は「政府は女性の年金受給開始年齢を62歳からにしようとしているが、そもそも女性が62歳まで働ける環境が整っていない。連邦政府には、年齢ではなく勤続年数で定年を決めてほしい」と訴えた。
中には23歳でこのデモに参加した若者も。彼は「そのうち80歳になっても定年できない世の中になるのではないかと不安だ」という。
デモの後、カルロス・マルン大統領府総務室長官は「政府が法案で譲歩する余地はまだある」とのコメントを出した。