ベネズエラと国境を接するブラジル北部ロライマ州都ボア・ヴィスタ市には、隣国のマドゥーロ政権による圧政から逃れてきた難民があふれている。そんな中、ブラジル政府はベネズエラ国民の入国制限の検討を始めたと、1日付現地紙が報じた。
同件は1月31日に開かれた、大統領府安全保障室、官房庁、防衛省、法務省、保健省、外務省の代表者会議で議題になった。
ベネズエラ人によるブラジルへの難民申請は一昨年3356件だったのが、昨年は1万7865件に急上昇した。しかし、正規手続きを踏まずに入国しているベネズエラ人は、この数倍もいると見られており、正確な数は政府も確認しきれていない。
国境閉鎖や入国制限はまだ議題に上っているだけで、開始日など、具体的なことは決まっていない。政府は8日に調査団をボア・ヴィスタ市に派遣する予定だ。
ロライマ州選出のレミジオ・モナイ下議(共和党・PR)は、同州選出議員が中心となって医療体制や受け入れ施設の充実を連邦政府に求めると共に、他州にもベネズエラ国民受け入れを要請しているとした。
同下議は「ボア・ヴィスタ市はもう限界だ。飢えから逃れてやってくるベネズエラ民にはもちろん同情する。しかし、それに紛れて、ハイチ人、キューバ人、イスラム教徒もどんどん入ってくる。国境の街パカライマからボア・ヴィスタまで200キロの道を歩いて来るんだ」と語り、早急な国境閉鎖の必要性を訴えた。