ブラジル女子バレーボールリーグのバウルー所属、ティファニー・アブレウ(33)が、1月30日のプライア・クルーベ戦で39得点を記録。個人の1試合最多得点記録を更新したことで、波紋を呼んでいると1日付現地紙が報じた。
ティファニーは、生まれつき自分の自覚する性と、身体的な性の差に苦しみ、2015年に男性から女性へと性転換手術を受けた。
最初はイタリアの女子チームでプレーをしていたが、昨年12月にブラジルバレーボール連盟から女子選手としての出場許可を得た。その後、バウルーに入団し、2017/18年シーズンを戦うことになった。
国際五輪委の規定では、「男性ホルモンの一種である、テストステロンが、血液1リットルあたり10nmol(ナノモル)以下であれば、女子選手として競技できる」と定められていて、ティファニーのテストステロン濃度は0・2nmolを保っている。
ティファニーの出場資格に異議を唱える事は、性的少数者差別に結び付けられやすく、多くの女子選手やチーム関係者、監督はこの問題を公に語ることを好まない。
ただし、生物学や体育学の専門家の間でも、「性転換手術をしたことで身体能力を失った」という説と、「30歳まで男性ホルモンの影響を受けて形成された彼女の身体が、生まれつきの女性と同じというのは公正ではない」という説が唱えられている。
本人は「もし私が男だったときの身体能力のままだったら、女子バレーの競技に参加する事をためらっただろう。性転換手術をする前、私の身体能力はもっと高かった」と語っている。