サンパウロ市内各所では、3、4日に、ブロッコと呼ばれる小規模サンバグループの行進が始まった。市民は大いにカーニバルの幕開けを楽しんだが、男性1人が道路標識のついた柱にもたれかかって感電死した他、ガソリンスタンドで、トイレの利用許可を巡るトラブルの末、店員に銃撃されて2人が死亡、2人が負傷する事件も発生したと、6日付現地各紙が報じた。
発砲事件が発生したのは3日の午後7時半頃。12人の友人グループは、イビラプエラ公園でのブロッコに参加後、車2台に分乗して市西部ラルゴ・ダ・バタタに向かっていた。一行はレボウサス大通りのガソリンスタンドに立ち寄った際、トイレを借りようとしたが、店員らしき男と口論となり、乱闘に発展して、銃撃されてしまった。
防犯カメラの映像には、店員と見られる、制服を着用せずリュックを背負った男が、グループに小突かれるのを見た制服姿の店員が鉄の棒でグループに襲い掛かる様子が映っていた。制服姿の男はグループの男たちに倒されたが、起き上がるとすぐ銃を抜き、発砲し始めた。
銃弾を受けたブルーノ・デ・ソウザさん(31)とジョアン・ダ・シウヴァさん(30)は病院に運ばれたが死亡。ロドリゴ・ベラルデさん(34)は入院中だが、軽傷のフェルナンド・アヴェリーノさん(28)共々、命に別状はない。
発砲した男は犯行後、現場から逃げ去った。警察は行方を追っている。「トイレを借りたかっただけなのに、こんな事になってしまった」と、アヴェリーノさんの妻、タリタさんは語っている。
もう一つの悲劇は4日午後、市内中心部コンソラソン街で行われた、人気ブロッコ、バイショ・アウグスタの行進時に起こった。
パレードを楽しんでいたルーカス・ダ・シウヴァさん(22)が、道路標識がついた柱に寄りかかったところ、急に倒れたのだ。ルーカスさんは病院に運ばれたが、その日の内に亡くなった。
ルーカスさんが感電した柱には、カーニバル開幕直前の2日に、ドリームファクトリーという民間企業によって監視カメラが設置されていた。サンパウロ市当局は、道路標識用の柱にカメラを取り付けることも、電柱から線をひいて電源とする事も許可されていないとしている。
サンパウロ市ではカーニバル最初の週末(3、4日)だけで187のブロッコの行進があった。初日となった3日だけで200万人、2日間では約400万人が繰り出したとサンパウロ市は発表した。この数字は381のブロッコが道に出た、昨年のカーニバル全体の人出と同数だ。