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《ブラジル》石油公社ペトロブラス=パサデナ製油所売却を発表=年内の手続き完了を目指す

アメリカ・テキサス州にあるパサデナ製油所(Petrobras)

アメリカ・テキサス州にあるパサデナ製油所(Petrobras)

 ブラジルの石油公社ペトロブラス社が6日、米国のパサデナ製油所の売却を進めると発表したと、7日付現地各紙が報じた。
 パサデナ製油所は、米国ペトロブラス社の傘下にあるが、ブラジルでは、大型汚職捜査ラヴァ・ジャット作戦の捜査対象になっている物件だ。
 パサデナ製油所買収の意図を表明する期限は2月23日までと定められた。ペトロブラス社は年内に資産売却手続きを終え、210億ドルを得ようとしているが、パサデナ製油所の売却はその計画の一部分だ。ペトロブラス社は、同製油所の売却手続きを進めるため、米国投資銀行エバーコア・パートナーズと契約した。
 ペトロブラス社は2006年、北米燃料市場に進出するための橋頭堡として、パサデナ製油所の経営権の半分を買収したが、その計画は失敗に終わり、残り半分も買い取る義務を負った。これによりパサデナ製油所の買収は、ペトロブラス社が行った経営的選択としては最も評価が疑問視されるものとなった。
 ペトロブラス社は3億6千万ドルを費やし、パサデナ製油所の経営権の半分を取得したが、その額はペトロブラス社に経営権の半分を売ったベルギーのアストラ石油が、1年前に同製油所の経営権を100%買い取った時に払った4200万ドルの8倍以上だ。また、残りの経営権買い取りも含めた買収総額は12億ドルに上った。
 ペトロブラス社国際部元部長のネストル・セルヴェロー氏は、ラヴァ・ジャット作戦の報奨付供述で「ペトロブラス社がパサデナ製油所買収のために使った資金は賄賂として流れた」と暴露している。
 パサデナ製油所は1日あたり11万バレルの石油を精製できるが、環境破壊問題で訴訟を起こされるなど、製油所や石油化学工場の集まるヒューストン運河流域一帯の中でも、最も問題の多い施設の一つに数えられている。