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形あるものは必ず壊れる?

 ブラジリアで6日、首都中心部を走る自動車専用道の高架橋の一部崩落が起きた▼連邦直轄区道2号線はエイションとも呼ばれる幹線道路で、高架橋下は当初、「タイムズ・スクエアのような場所に」との構想もあったらしい。現在は周辺の銀行職員などが利用するレストランとかがある程度だ。崩落時は走行中の車もなく、レストランの方も客や従業員がいない部分に被害が出ただけ。不幸中の幸いだった▼事故の報道を見た時、「生あるものは必ず滅し、形あるものは必ず壊れる」という言葉を思い出した。仏教用語なら「諸行無常」で表される事だが、ブラジリアでは4日も建物の床が落ち、地下の車庫の車25台が押し潰されるという事故が起きた。何もない所を切り開いて造られた新しい都市ブラジリアだが、保守・改修を怠れば、種々の建造物の崩壊や倒壊は避けられない▼今回落ちた橋は何度も保守工事が必要と警告されており、避け得た事故という点も気にかかる。ブラジリアでの事故は死傷者ゼロだったが、4日にサンパウロ市で起きた、カーニバルの行進参加者の感電死も、2日に行った監視モニター設置時のミスと、設置後に電気ショックを受けた歩行者が何人もいたのに善処されなかった事が招いた人災だ▼ボランティアとして社会福祉活動にも参加していた青年を急に失った関係者の悲しみはいかほどか。安全と信じて車を走らせ、食事をしていた場所が、大音響と共に様変わりしたのを見た驚きは? サンパウロ市でもレメジオ橋で緊急の保守工事が行われた例があるなど、次を予想する事は難しい。だが、警告や前兆を真摯に受け止める事で、不測の事態を回避する術は皆が身につけたいものだ。(み)