東京都を拠点に活動するサンバチーム「ケール・スウィンガール・ヴェン・プラ・カ」(以下QSVPC、宮澤摩周代表)がカーニバル期間中の11日午前11時~午後2時まで、リオ市ヴィラ・イザベル区のバラン・デ・ドゥルモンド広場でパレードを行う。同チームによれば、日本のサンバチームがリオのブロッコに公式参加するのは初めて。
当日のパレードは2016年2月に亡くなったサンバ作曲家、打楽器奏者メストレ・トランビッキ氏(本名ジョゼ・ベルミロ・リマ)への哀悼の意と、生前の功績に敬意を示するためのもの。同メストレは同チームの名付け親でもある。
日本から16人が参加し、現地リオのテレザ・クリスチーナやペドロ・ミランダなどサンバ歌手、音楽家と共演する。トランビッキ氏が作詞作曲した曲を含むQSVPCオリジナル曲3曲のほか数曲が披露される。
QSVPCは宮澤代表により2012年に東京都で結成された。宮澤さんはリオの老舗サンバチーム「ウニードス・デ・ヴィラ・イザベル」(スペシャル・グループ、13年優勝)の打楽器隊でも活躍している。
宮澤代表は05年からヴィラ・イザベルに参加するとともにトランビッキ氏に師事、打楽器隊員としてパレードに出場しながら、実地にサンバを学んだ。05年からリオのブロッコ・コルドン・ダ・ボイタターでも活躍している。
宮澤代表は生前のトランビッキ氏と「日本のチームメンバーと一緒にリオでパレードしよう」と約束していた。トランビッキ氏の逝去後、同氏を慕う愛弟子や家族、仲間からパレードへ誘われ、今プロジェクトが立ち上がったそうだ。
本紙メール取材に対し、宮澤代表は「トランビッキ氏はいつも『サンバに国境はない』と話していた。名前をつけていただいてから5年、トランビッキ氏がいたリオにパレードをしに行くことができて本当に嬉しい。ブラジルで両手を広げて待っているメンバーと一緒に、声が枯れるまでトランビッキ氏への感謝を歌いたい」とパレード参加実現への喜びのコメントを寄せた。