昨年、創立100周年の節目を迎えたブラジル福島県人会(永山八郎会長)は、若者育成に積極的に乗り出し、着々と世代交代が進められつつある。7日、曽我部威事務局長と今井マリナ由美第二副会長が本紙を訪れ、県人会の活動状況と今年度の見通しを語った。
曽我部事務局長によれば、現在会員数は150人と漸減傾向にある一方で、青年部は約40人に上り、存在感を見せているという。その求心力ともなっているのが、母県が行なう県費留学、研修制度。今年度は各制度で2人ずつ、母県に派遣される予定だ。
同制度への応募者は年々増加しており、それに並行して青年部員も増加。現在、順番待ちとなっている状況で、2、3年、県人会活動を手伝うことを、その要件と課しているという。
また、昨年11月に母県で開催された「第三回在外県人会サミット」には、今井副会長(43、二世)がブラジル代表として参加。これは、世界各国の福島県人会関係者を招き、県内の魅力を世界に発信すると共に、復興状況への理解を深めて、風評払拭に繋げることを目的としたものだ。
期間中は、世界各国の県人会の今後の活動に関する意見交換が行われたほか、酒造や工房のほか、復興拠点商業施設などを訪問し、理解を深めたという。
今井副会長は「近隣諸国の福島県人会の若者とも連絡先を交換し、交流が生まれつつある」と横の繋がりが強化されることを期待。曽我部事務局長は「世界に揉まれ若者に成長して欲しいと願い参加してもらった。一回りも二回りも成長した」と喜び、今後も若者に機会を与えていく方針だ。
同県人会では、今年度の事業の柱として日本祭やラーメン祭を通じて、本場喜多方ラーメンの販売拡大を目指す。昨年は年間2千食ほどだったが、本年度は年間目標を5千食とした。既に4千食分は確保しているといい、県産品の海外輸出には、県からの助成金も出るという。
曽我部事務局長は「今年は移民110周年。腰を据えて、喜多方ラーメンを普及させたい」とした。