リオ市では11日から2夜連続で、カーニバルのスペシャル・グループのパレードが開催される。各エスコーラのエンレド(テーマ曲)と共に、今年の傾向と見どころを紹介する。
今年のリオのカーニバルは市や州の財政破綻の中で開催される。それを象徴するように、史上2位の19回の優勝を誇る名門エスコーラ、マンゲイラのエンレドは単刀直入に「金があろうがなかろうが、ただ、(サンバを)やるだけ」。これはマルセロ・クリヴェラ市長による市政への批判だと、かねてから話題だった。
また、昨年33年ぶりに優勝し、古豪復活を印象づけたポルテーラは、「突然あちらからこちらへ」と題するエンレドで「移民や難民に対する宗教的不寛容」を歌う。これもウニベルサル教会と結びつきのあるクリヴェラ市長への批判をうかがわせている。
また、優勝常連のベイジャ・フロールも、フランケンシュタインに題材をとった「モンスターは愛することを知らない―親に見離された子どもたち」というエンレドで、社会や政治の不寛容性を歌っている。
さらに連邦政府への批判もある。昨年16年ぶりに2部から復帰したパライゾ・ド・ツイウチは、衣装の一部に、ジウマ前大統領の罷免騒動の際に頻繁に見られた鍋叩きデモの参加者を「悪の手」の操り人形として描き出したものなども入れている。
ただ、決して、そうした政治的テーマだけではない。昨年は採点ミスがあり、結果的にポルテーラと同点優勝となったモシダーデ・インデペンデンテは、「ナマステ―私へと続く道」でインド文化を表現する。
昨年はアクシデントに見舞われ、不本意な11位に終わった上位常連のウニドス・ダ・チジュッカは、脚本も司会もこなせるマルチ俳優ミゲル・ファラベーラに捧げたパレードを行う。また、13年連続で5位以内と安定しているサルゲイロは、黒人女性の偉人たちに捧げた内容。長らく同エスコーラのカルナヴァレスコを務めたラジェ夫妻の移籍先であるグランデ・リオは、伝説のバラエティ司会者シャクリーニャの一生がテーマだ。
昨年はポルテーラを優勝に導いた名物カルナヴァレスコのパウロ・バロスが指揮するヴィラ・イザベルは、「走れ。未来はすぐそこ」と題したエンレドを採用。中心テーマはテクノロジーの進化で、電子機器などを使った大胆な演出かと期待されている。
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