サンパウロ市から西北に300キロのバウルー市で10~12日の3日間、カーニバルが開催される。そこで12日に登場する地元名門エスコーラ「モシダーデ・ウニーダ・デ・ヴィラ・ファルコン」は、バウルー市と奈良県天理市の姉妹都市提携を祝う「TEN RIquezas na terra das cerejeiras」(桜の地の豊かさ)をテーマに行進を繰り広げる。両市は1970年に提携を結んだので、2020年に50周年を迎える。それを先取りして祝う形になる。
バウルー市は戦前から鉄道分岐駅として栄え、邦字紙「サンパウロ州新報」が創刊された。1951年に天理教ブラジル伝道庁が作られるなど、日本とはゆかりの深い土地柄だ。
同サンバチームのエンレド(テーマ曲)は姉妹都市提携の節目を祝うとともに、日本移民や文化を称えるもの。「太鼓が響く」「ありがとう」「さようなら」「サケ」「運動会」などと随所に日本語が散りばめられている。ユニフォームには日本とブラジルの国旗、天理教伝導庁「レカント天理」の図柄が印刷され、当日はメストレ・サーラが日本の扇子を持って踊る。
同チームの前身はバウルー市で13度の優勝記録を持つ「モシダーデ・インデペンデンテ・ダ・ヴィラ・ファルコン」。1976年に設立され、2015年に解散した。同チームの復活を望むファンや元チームメンバーが「モシダーデ・ウニーダ~」を設立。16、17年と優勝を続け今年は3連覇を狙う。
今回のカーニバルでは約550人が8つのアーラ(連)に分かれ、4台の山車が出る。1台目の山車はチームの象徴であるハヤブサと鳥居、2台目は招き猫と鶴、次に日本の最先端技術を表し、最後にレカント天理が出てくるそう。
9日付ポ語ニュースサイト「JCNET」によれば、同エスコーラのジャイール・フォンタン・オドリア代表は、「私達のヴィラ・ファルコン区を代表として、3連覇を目指したい」とコメントしている。
同市在住の天理教関係の日本人男性は、同チームが姉妹都市関係をテーマにすることをニュースで知ったそう。「全くなにも知らされておらず、本当に驚いている」と戸惑いながらも、「日本から遠い国のカーニバルで取上げてくれていると考えると光栄」と語った。
12日は午後7時15分にカーニバルのパレード開始、モシダーデ・ウニーダ・デ・ヴィラ・ファルコンは2番目の出場となり、午前0時半から出場する。