【既報関連】ブラジル鉄鉱大手ウジミナス社株の33%を持つ新日鉄住金と、40%を持つテルニウム社は、ウジミナス社の経営方針を巡り、3年以上にわたって争いを続け、法廷闘争にまで発展していたが、8日に和解したと10日付ブラジル紙が報じた。
昨年3月には、新日鉄住金がCEO(最高経営責任者)に推したロメル・アーウィン氏をテルニウム社が解任し、セルジオ・レイテ氏をCEOに就けたため、新日鉄住金が大いに反発していた。
今回の合意では、ウジミナス社のCEOと取締役会議長を、新日鉄住金と、テルニウム社が任期2年を2回連続、つまり4年毎に交互に指名する事となった。
現CEOのセルジオ・レイテ氏は5月で任期が切れる。合意に基づき最初のCEO指名を行うT社は、同氏の2022年5月までの留任を明言し、新日鉄住金はルイ・ロベルト氏を取締役会議長に指名した。
セルジオ・レイテ氏は、「合意により、我が社は継続性と規則性を保ちつつ新たな発展の道を歩む事が可能となった。社員たちの士気も上がった」としている。
ブラジル銀行(BB)が母体のBB投資銀行のレポートは、「合意により、ウジミナスの経営効率が高まると共に、リスク要因が減った」と評価している。
合意は、ブラジル国内の自動車産業が好調な回復を見せ、鉄鋼分野の需要が高まり始めたタイミングで成立したが、レイテ氏は、鉄鋼関連の需要回復が本当に実感できるようになるのは、ブラジル国内のインフラ設備や土木建設のペースが回復し始めた時だろうと見ている。