サンパウロ州政府がブラジル日本移民110周年祭典事業に全面協力へ―。サンパウロ州政庁バンデイランテス宮殿で9日、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は、主要日系団体代表者らと会合した。7月21日に県連日本祭り内で開催される移民110周年記念式典への招待状が手渡され、同知事は同記念事業に対して積極的な協力姿勢を示した。昨年末から同記念事業に関して、サンパウロ市との官民合同事業が進展するなか、州政府への働きかけは今回が初めて。
会合には呉屋春美文協会長、与儀昭雄援協会長、山田康夫県連会長、松永愛一郎商議所会頭、市川利雄日本祭実行委員長、福原カルロス文協第7副会長ほか、関口ひとみ首席領事、岩崎健次領事が出席した。
サンパウロ州知事として4期目を迎えるアウキミン知事は、04年に小泉純一郎首相が来伯した際、グァタパラ移住地にヘリで当然着陸し、感動の嵐を呼んだ逸話などを回想。和やかな雰囲気のもと、会合が行われた。
会合では、移民110周年祭典事業の概略が説明された他、7月21日に開催される記念式典への招待状が手渡された。
関口首席領事は、眞子内親王殿下がブラジルを公式訪問されることで調整が進められているとの報道があったと伝えると、アウキミン知事は「皇族をお迎えすることは大変な名誉だ」と語った。
さらに「110周年を日系社会と共に祝うことは喜びであり、その偉大な足跡と日系社会の統合の強さを示すものになる。サンパウロ州が海外最大の日系社会を抱えることを誇りに思う」として各分野における日系人の活躍を賞賛。「移民110周年を全力で支援する」と協力姿勢を強調した。
パラナ州では、来月12日に移民110周年事業を州公式行事に認定する州令署名式が行われる予定。サンパウロ州も移民百周年時と同様に、州政府からの協力を得たい考えた。
会合を終えて、呉屋会長は「アウキミン知事が協力姿勢を示したことはとても重要。州令については明言されなかったものの、今回の目的は達成されたのではないか」と語った。