黄熱病の影に隠れて見逃されているが、サンパウロ州などではデング熱の発生も増えている。
サンパウロ州では、今年1月の最初の3週間(1月1~20日)で、デング熱が疑われるケースが2300件と、674件だった昨年と比べて3倍以上に増えた事が明らかになったと15日付現地各紙・サイトが報じた。
デング熱はサンパウロ州以外にも、アクレ、パラナ、サンタカタリーナ、リオ・グランデ・ド・スル、マット・グロッソ・ド・スルの5州で増加傾向にある。
ブラジル全体でデング熱が疑われているケースは9399件で、昨年の1万6830件より44%減った。今年はデング熱による死者はまだ出ていないが、昨年は13人の死者が出ていた。
サンパウロ州保健局疾病制御部門コーディネーターのマルコス・バウロス氏は、サンパウロ州でデング熱が増えているのはネッタイシマカの繁殖が拡大しているせいとみているが、「夏の終わりは近いから、流行状態に陥る可能性はない」としている。
一方、専門家たちは、「デング熱2型」と呼ばれる、別の型のウィルスより重症化しやすいウィルスが横行していることを憂慮している。デング熱2型が最後に流行したのは2008年だ。保健省は昨年12月にデング熱2型ウィルス復活の兆しを感知していた。オズワルド・クルス研究所の疫病学者、アンドレ・シケイラ氏は、「デング熱2型ウィルスの再発生は新たな伝染病発生の危険性を伴う」としている。
また、1月1~20日でのチクングニヤ熱が疑われるケースは1505件で、5万1千件だった昨年と比べ、大幅に減少した。
ジカ熱の疑われるケースは131件で、1640件だった昨年の10分の1以下だった。