大統領選への出馬が噂されていたTVグローボの司会者ルシアノ・フッキが15日、前年11月に引き続き、改めて選挙には出馬しないことを明言した。これで中道政党がそれぞれの候補をしっかりと固める必要が出てきていると、16日付現地紙が報じている。
フッキはこの日、政治ウェブサイトの「アンタゴニスタ」の取材に対し、「私は立候補はしないし、その理由についても話したくない」と語り、改めて不出馬の意思を強調した。
かねてから芸能界きっての政治論客として知られていたフッキは、その知名度と革新志向から、今回の大統領選では、中道~中道右派の政党にとって魅力的な候補と映っており、世論調査の支持率も高かったが、昨年11月に、家族の反対もあり、出馬しないと明言していた。
だが、ルーラ元大統領が1月24日に高級三層住宅を巡る収賄などの容疑の第2審で実刑判決を受けた直後、大統領選世論調査で8%の支持率を受け、「その決意が揺らいだ」との報道がなされていた。2審判決でルーラ氏が出馬資格を失う可能性が高まったためだ。
さらに、民主社会党(PSDB)のカルドーゾ元大統領も、同党の候補として党首のジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事にほぼ固まりつつある中で、旧友でもあるフッキと面会したり、ラジオなどで同氏を賞賛する発言を行ったりした。フッキ自身もその直後に経済界の大物たちと会ったりしており、なおさら、その行方が注目されていた。
だが、今回のフッキの不出馬宣言を受け、中道各政党は改めて、候補をしっかり固めなくてはならなくなったと現地紙は報じている。
フッキを出馬候補にと食指を伸ばしていた政党としては、本命視されていた社会大衆党(PPS)や社会民主党(PSD)が挙げられ、社会運動団体からも出馬を推す声が出ていた。また、一部ではあるが、テメル大統領の民主運動(MDB)の内部でも求める声があったという。
現在、MDBを中心とした連立政府主体の中道右派政党による連合は、選挙キャンペーン中の政見放送の持ち時間の豊富さを生かし、彼らを代表する有力候補を探している最中だ。だが、当初、本名視されていたエンリケ・メイレレス財相(PSD)の世論調査での支持率は、わずか2%と伸び悩んでいる。
その「中道右派代表」の座を伺っているロドリゴ・マイア下院議長を擁立予定の民主党(DEM)は、フッキの不出馬宣言にも「従来通りマイア氏を推すだけ」との態度を示しているが、そのマイア氏も世論調査では1%の支持に過ぎない。
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