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《ブラジル》大衆車販売=4年間続いた前年割れを脱出=景気回復が庶民レベルに

 景気回復に従い、ブラジルでの自動車業界の雇用情勢は昨年半ば頃から戻り始めたが、それを反映するように、17年の大衆車の販売数が前年比で3・1%伸びたと、14日付現地紙が報じた。
 ここ数年間の新車販売は、経済危機の影響が比較的少なかった裕福な層によって支えられてきた。この事は、Gol、Kaといったエントラーダと呼ばれる車や、OnixやArgoのような小型のハッチバック車の個人への販売数が13年から4年間、前年割れを起こしていた事からも窺われる。しかも、15、16の両年は前年比で25%以上減少していたのだから、庶民は大衆車にも手が出せなくなっていたといってもよい。
 だが、17年後半は個人への大衆車販売数が回復し始め、年間を通じた総数(56万4千台)でも、前年比3・1%増を記録した。この結果は前年実績が落ち込んだ後の微増であり、昨年の乗用車販売数の22%を占め、年間販売額では36%伸びたSUVと呼ばれるスポーツタイプの車や、高級車を含む乗用車全体の伸び(9・2%)に比べれば、ずっと控えめだ。
 だが、大衆車の販売数増加は、経済危機で最も影響を受けていた層の雇用が回復して来た事と、経済基本金利(Selic)引き下げと銀行の融資枠拡大により、低金利でローンが組めるようになった事を受けたものと考えれば、景気回復が、緩やかながら、庶民レベルにも感じられるようになってきた証拠といえる。
 17年に入ってからの景気回復は、小売業の売上増加や雇用回復といった形でも確認されているが、16日朝のニュースでは、景気の悪化で、バターよりマーガリンのように、より廉価な品や銘柄を探したり、一部の商品の購入を停止したりしていた消費者が、以前の商品や銘柄を買い始めたとの情報も流している。