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《ブラジル》ロライマ州=ベネズエラ人のSUS利用急増=17年は14年の2300倍に

 【既報関連】ロライマ州保健局が22日、同州内のベネズエラ人急増に伴い、2017年に同州の公共医療機関を利用した同国人は4年前の2349倍に達したと発表したと22日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 この報告は、ブラジリアで行われた汎米保健機構(OPAS)の会議でなされた。同州でのベネズエラ人による医療機関利用に関する統計は14年から取られており、初年に統一医療保健システム(SUS)を利用したベネズエラ人は766人だったが、17年は1万8千人に及んだという。
 ベネズエラ人によるSUS利用急増の例は、今年1月にSUSを利用できる産院の一つが扱った出産数が180件に上ったとの報告だ。州都のボア・ヴィスタに住むベネズエラ人は同市の人口の1割強(推定4万人)である事と、従来の出産数は15~20件/日だった事を考えると、ベネズエラ人のSUS利用の多さが窺われる。
 同会議では、ブラジルでは2015年に撲滅したとされるはしかの患者が、ボア・ヴィスタ市内で確認された事への言及もなされた。現在までに感染が確認された患者はベネズエラから来た1歳児1人のみだが、その他に、ブラジル人1人を含む子供7人(7カ月~10歳、男児5人、女児2人)の感染が疑われ、検査中だ。
 患者の家族はベネズエラ人の収容施設に住んだ後に同市内の広場で野宿するようになっていたため、同州保健局は先週末、州都の収容施設にいたベネズエラ人2千人に予防接種を施した。ブラジル保健省は、はしかに関する対策を採るためのスタッフを派遣した他、同州に送る3種混合(はしか、流行性耳下腺炎、風疹)のワクチンを4千人分から8万4千人分に増やす事や、同州の医療関係者の訓練を行う事を決めている。
 ベネズエラの医療状況は悪化の一途で、はしかやマラリヤが流行状態になっている。21日には、同国民の61・2%は極貧状態、25・8%は貧困状態にあり、61%は食料がなく、空腹のまま就寝している事、17年の同国民の平均体重は11キロ減った事などが報告された。同国内の複数の大学が協力して行った調査によれば、貧困や犯罪増加などの理由で転居や国外脱出を考えている人も41%いたという。