ホーム | ブラジル国内ニュース | フィッチ=ブラジル国債の格付引き下げ=社会保障制度改革の断念で

フィッチ=ブラジル国債の格付引き下げ=社会保障制度改革の断念で

 世界的投資信託の権威フィッチが23日にブラジル国債の格付を引き下げ、財界に波紋が広がっている。23日付現地紙サイトが報じている。
 フィッチはこの日、ブラジル国債の信用格付を「BB」から「BBマイナス」に下げた。これは1月に、同じく信託の権威であるS&B(スタンダード&プアーズ)がブラジル国債の格付を下げたときと同じ位置になったことを意味する。ブラジル国債の格付は、「投資適格級」とされる階級から3階級下まで下げられたこととなった。
 今回の格付降下は、連邦政府がリオ州の治安への直接統治発令後、社会保障制度改革案承認を一時見送るとの決断を下したことをフィッチが重く見たために起こった。
 ブラジルの景気は回復に向かっているものの、景気後退後に弱まった投資の活性化がさらに遠のく可能性が強まった。
 フィッチによる格付引き下げの報を受け、財務省は「将来の安定した経済成長を目指すべく、引き続き、社会保障制度の改革は進めていく」との声明を出している。