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西森連邦下議=公金横領告発を最高裁受理=架空職員通じて280万レ?=パ州110周年影響なし

パラナ移民110周年の祭典委員長でもある西森下議

パラナ移民110周年の祭典委員長でもある西森下議

 ブラジル連邦検察庁(MPF)から出されていた西森ルイス連邦下院議員(PR―PR)に対する資金洗浄と公金横領に関する告発を、連邦最高裁判所の第1小法廷は20日、全会一致で受理した。20日午後9時17分、同検察庁サイトにその広報が掲載された。西森下議は23日現在、世論調査で支持率2位の右派大統領候補として有名なジャイール・ボルソナロ下議を連れて訪日の途にある。ジョルナル・ニッパク紙が同議員事務所にコメントを試みたところ、補佐官は「西森下議は訪日の機上。5日に帰伯し次第、声明を発表する」と応えた。本紙も帰伯後に西森下議からの説明を取材して掲載する予定。

 連邦議員である西森氏には「法的特権」(foro privilegiado)があるため、最初から最高裁扱い。今後どんな判決が出ても上訴する可能性が十分にある。最高裁には案件が山積みであり、今回は受理したのみ。今後審議が始まり、最終判決がでるまでには数年以上がかかると見られている。
 単なる「容疑」であり、西森下議側からの反証をする機会が今後何度も与えられる。その間は「推定無罪」(有罪と宣告されるまでは無罪と推定されるという近代法の基本原則)により、通常通りの議員活動が保証される。
 つまり、祭典委員長の重責を担うパラナ州110周年記念式典への影響はなさそうだ。
 連邦検察庁の広報によれば、この容疑はパラナ州議時代の2003年から10年の間、パラナ州議会内の同議員事務室に架空の職員9人がおり、その給与として総額280万レアルが横領されたというもの。
 ジュリアーノ・バイオッチ・ビラベルジ・デ・カルバーリョ検察庁副長官は口頭弁論で、犯罪計画における西森氏の指導的役割を強調した。
 捜査によれば、職員2人が架空職員の銀行口座を管理し、そこから引出したお金を5つの口座に移すよう依頼されていたという。その口座のうち3つは同議員名義。残り2つも同議員が管理する非営利団体という。副長官は、「この犯罪には十分な物的な証拠があり、容疑者の関与を示している」と強調した。
 この件は、第1小法廷のアレシャンドレ・モラエス最高裁判事が報告官となって、まず連邦検察庁の起訴書類を受理する判断を宣言し、マルコ・アウレリオ・メロ判事、ローザ・ヴェベル判事、ルイス・ロベルト・バロゾ判事、ルイス・フックス判事も続いた。