【既報関連】連邦政府によるリオ州治安部門への直接統治令(IF)により、リオ州政への連邦執政官として派遣されたワルテル・ブラガ陸軍大将が27日午前に会見を行い、IFの実行方針を発表したと、同日付現地サイトが報じた。
ブラガ執政官は、「指揮系統を一元化し、犯罪組織に関する諜報活動を迅速化させる。俊敏性が何よりも大事。リオ州はブラジルの実験室的存在だ。だが、リオ州で行われた事がブラジル全土に適用されるかどうかは私の責任ではない」と語り、IFの目的を「リオ州の治安への信用を取り戻す事」と定義した。
執政官は続けて、「我々の任務は保安当局の実効性を取り戻し、リオ州の犯罪発生率を下げる事。警察機構の威信回復や、諜報機関の予算増額、監督局の強化といった、これまでの保安機関の良いところは残すことが大切」とも語った。
ブラガ執政官は14年から15年にかけて行われた、リオ市北部マレー地区のファヴェーラ(スラム街)平定作戦に従軍した経験を持つ。だが、同州大都市圏では当面、スラムを武力で制圧した上での常駐作戦を含めた、恒常的な活動を行う計画はないと明言した。
会見にはIF実行室長のマウロ・シノット氏、IF導入後に退任したロベルト・サー前同州保安局長に替わって同職に就任したリシャルジ・ヌーネス氏(共に陸軍大将)も同席したが、具体的な活動案や予算は明らかにされず、ブラガ執政官は会見後にリオ州と隣接する3州の保安局長と会合を持つとだけ発表された。
ジュングマン国防相=新設の治安相に就任
同日は、ラウル・ジュングマン前国防相の治安相就任式も行われた。
治安省は、これまで法務省の管轄下だった、全国刑務所管理局(Depen)、連邦警察、連邦国道警察、国家治安部隊(FN)を束ねる。同省は期間限定の特別省で、州や市との連携を密にしながら、全国の治安強化を目指す。
ジュングマン新治安相は就任演説で、「国民生活を脅かす犯罪組織が、刑務所内からも刑務所外の犯罪をコントロールし続けている。刑務所は犯罪者のオフィスと化した。これを変える必要がある。連邦政府は、州や市の壁を越えた犯罪抑制活動を行う必要がある」と語った。
ジュングマン氏の治安相就任に伴って、空席となった国防相は当面、陸軍のジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ大将が代行する。