労働者党(PT)が10月の大統領選でルーラ元大統領が出馬できない場合の最有力候補と考えているジャッケス・ヴァギネル氏を、連邦警察が26日に8200万レアルの収賄疑惑で告発し、家宅捜査も行った。26日付現地紙が報じている。
連邦警察は26日にラヴァ・ジャット(LJ)作戦付属のカルトン・ヴェルメーリョ(レッドカード)作戦を敢行した。これは、バイア州政府が契約した、14年のサッカーW杯で使った同州サルバドールのフォンテ・ノヴァ・スタジアムの解体と新築工事の際に行われたとされる贈収賄工作に関する捜査だ。
LJ作戦で報奨付供述を行った建築大手のOASやオデブレヒトは、コンソーシアムを組み、同スタジアムの解体と建設を請け負った。両社関係者の供述によれば、同スタジアムの解体と建設では、2009年までに、本来の契約金を2億レアル(現在なら4億5千万レアル相当)も上回る過払いが行われた。検察側は、当時同州知事だったヴァギネル氏が、その内の8200万レアルを賄賂として受け取ったと見ている。
これらの額は、OASやオデブレヒトの関係者の報奨付証言で明らかになったものだ。連邦警察のルシアナ・マツチーノ捜査官によると、連警は既に、ヴァギネル氏への賄賂の経路や受取の証拠も掴んでいるという。
それによると、オデブレヒトからヴァギネル氏への賄賂は、仲介人の手で同氏の母親の自宅に届けられており、大半は現金で支払われたという。
また、その賄賂を受け取る前後に仲介者とヴァギネル氏の広報が携帯電話でやりとりした会話の内容も発見されている。
さらに、ヴァギネル氏宅の家宅捜索では、賄賂代わりに受け取ったと思われる高級時計が15個も見つかったという。
連警は、ヴァギネル氏と、バイア州政府の局長だったブルーノ・ダウステル氏、企業家のカルロス・ダウトロ氏の3人を、この贈収賄工作にまつわる罪状で告発した。ダウステル、ダウトロの両者は共にOAS社の元社員でもあった。
ヴァギネル氏はバイア州知事をつとめた後、ジウマ政権で国防相や官房長官を歴任。今年10月の大統領選でも、ルーラ氏がサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を巡る収賄と資金洗浄疑惑により出馬失格となった際に、代理出馬することが予想されていた。今回の捜査と告発により、PT内の大統領選候補選びは一段と困難になってきた。
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