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ブラジルGDP=3年ぶりにプラスに転ずる=農業牽引で前年比1%増=サービスは微増、工業は横ばい=国民の間に微かな景況感

パラナ州でのとうもろこし収穫の様子(参考画像・Jonas Oliveira)

パラナ州でのとうもろこし収穫の様子(参考画像・Jonas Oliveira)

 【既報関連】ブラジル地理統計院(IBGE)は1日、2017年のブラジル国内総生産(GDP)が前年比1%増の6兆6000億レアルと、3年ぶりに前年比成長を記録した事を発表したと、同日付現地サイトが報じた。

 これは、ブラジル経済が回復し始めたことを示している。だが、マイナス3・8%、マイナス3・6%を記録した15年、16年の喪失分を取り戻すほどではない。
 IBGE国家会計部門コーディネーターのレベッカ・パリス氏は、これにより、レアル換算でのブラジルGDPは、インフレ分も調整した上で、2011年の第1四半期の水準に戻ったという。
 パリス氏は、「農業部門の好調がなければ、全体のGDP成長率はプラス0・3%だった。農業部門は全てのセクターに影響を及ぼした」と語り、17年GDPは、豊作に支えられ、前年比13%増だった農業部門が牽引したとしている。
 農業部門の他では、サービス部門も、商業の1・8%増、不動産の1・1%増などの影響もあり、昨年比で0・3%伸びた。
 工業部門は前年比±0%で横ばいだったが、14~16年の3年連続のマイナス成長からは脱した。分野別では、天然資源採掘部門が4・3%成長だったが、土木部門がマイナス5%だった。
 パリス氏は、昨年は水不足のため電気代が上昇し、生産コストが割高になったことも、工業部門が振るわなかった理由だとしている。
 17年はインフレ率も2・95%と低く、政策金利も年末には7%まで下降。3月から始まった勤続期間保障基金(FGTS)休眠口座の引き落とし解禁は市場への資金流入を促し、非正規が中心ながら、雇用も若干回復した。
 国民の総収入も増え、家計消費が前年比1%上昇だったことも、3年ぶりのGDP成長に影響した。家計消費がGDP算出時に占める比重は63・4%だ。
 しかしながら、連邦政府、各州政府、各市自治体の公共支出は、財政危機のために全体で0・6%減り、投資部門も前年比1・8%マイナスの1兆レアルだった。GDP全体に占める投資額の割合は15・6%で、統計開始以来、最低値だった。投資部門の52・2%は「建設業」が占めているが、建設業の回復は未だ遅れている。
 GDPは四半期ごとに発表されている。17年のGDPは、17年第4四半期の結果が出たことを受けて発表された。
 17年第4四半期のGDPは前期比0・1%伸び、前期比で1・3%、0・6%、0・2%と続いていた第1~第3四半期の連続上昇は維持したが、上昇幅は減少した。
 国民1人当たりの国民総生産は、インフレ調整済みの値で3万1587レアルで、前年比で0・2%増加した。