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オデブレヒト=ペルー大統領選でも贈賄=同国支社元理事が認める=現職含む大統領4人とケイコ氏に

ペルーのクジンスキー大統領(César Carrión – SIG)

ペルーのクジンスキー大統領(César Carrión – SIG)

 オデブレヒトのペルー支社元役員が、ブラジルでの大統領選のみならず、同国の大統領選でも、現大統領のペドロ・パウロ・クジンスキー(PPK)氏ら、歴代大統領4人を含む5人の候補に違法献金を行っていたことを認めた。1日付ブラジル国内紙が報じている。
 この疑惑は、同社のペルー支社元役員のジョルジェ・エンリケ・シモンエス・バラッタ氏が2月28日に、検察庁サンパウロ州支部で行った報奨付証言で明らかになった。
 それによると、同社はこれまでにPPK氏をはじめ、その前の3人の大統領であるオジャンタ・ウマラ氏(在位2011~16年)、アラン・ガルシア氏(同2006~11年)、アレハンドロ・トレド氏(同2001~2006年)に対して秘密口座を通じた違法献金を行い、さらに11年と16年の2回の大統領選で次点のケイコ・フジモリ氏にも同様の賄賂を支払ったという。
 バラッタ氏は支払った具体的な額まで明らかにしている。2011年の選挙では、この時は敗れたPPK氏に30万ドル、次点に終わったケイコ氏に120万ドル、2度目の当選を狙ったトレド氏に60万ドルを支払ったという。さらに、06年の選挙でもガルシア氏に20万ドルの賄賂を支払ったという。
 バラッタ氏はこの前日の2月27日にも、11年の選挙で、ウマラ氏に対して300万ドルの贈賄を行ったと発言していた。
 バラッタ氏は、支払方法に関する言及も行っている。たとえば、PPK氏の場合はロンドン在住のペルー大使であるスザーナ・デ・ラ・プエンテ氏に支払ったという。
 PPK氏は既に別のスキャンダルでも渦中にあり、ペルーの政治関係者によると、この件が加わると、同氏の立場はさらに脆弱なものになるという。
 このバラッタ氏の証言に対し、PPK氏やケイコ氏は強く反論している。
 オデブレヒトはブラジルだと、10年のジウマ大統領の選挙などに違法献金を行った疑いを問われている。
 同社は既に、ブラジルをはじめ、米国、スイス、ドミニカ、エクアドル、パナマ、グアテマラでも、捜査に協力することで恩赦や減刑措置を得る契約を締結している。これからも、中南米のほかの国々で、同様の犯罪が明らかにされる可能性がある。