スイス検察庁は1日、ブラジル検察庁の依頼で、サンパウロ州高速道開発公社(DERSA)元局長で、民主社会党(PSDB)の贈収賄工作のオペレーターとみられているパウロ・ヴィエイラ・デ・ソウザ氏(通称パウロ・プレット)が、贈収賄で使ったと思しき国外の隠し口座四つに関する書類や入出金記録を集めていると発表した。2日付エスタード紙が報じている。
パウロ・プレット氏は、ジョゼ・セーラ氏がサンパウロ州知事だった2007~10年にDERSAの総裁をつとめていた。検察は、サンパウロ大都市圏を循環するロドアネルをはじめとする四つの高速道事業契約で、同氏が贈収賄工作を働いたと見ている。
パウロ・プレッタ氏の名前は、ラヴァ・ジャット作戦の捜査の中でも、オデブレヒト社やOAS社といったゼネコン大手の被告10人から、「PSDBの汚職のオペレーター役」として挙げられていた。
ラヴァ・ジャットの報奨付供述で明らかになった不正例を見ると、たとえば、ロドアネルの南部ブロックの工事に関し、パウロ・プレット氏は工事に携わった10社に対し、0・75%分の過払いを命じていたという。
同氏に関する疑惑は、2017年にスイスの検察庁が、パウロ・プレット氏がスイスに持つ四つの口座に1億1300万レアル(3500万スイス・フラン)相当の預金があることを発見したことで深まっていた。
これらの口座は同国のボルディエール&シア銀行にある。最初の口座が開設されたのは2007年で、現在もそのまま維持されている。四つの口座の存在は、同銀行が16年6月に不審な金の動きがあったと当局に連絡したことで判明した。
さらに、これらの口座はパナマのオフショアと関係があり、昨年も、バハマにある口座へ預金が振替られた。ラヴァ・ジャット作戦で疑惑が浮上したブラジル人の口座に関するスイス検察の調査が進んでいるため、自分の口座に捜査が及ぶ前にパウロ・プレッタ氏が預金を移したのだろうと、検察は見ている。ボルディエール&シア銀行の口座は、この疑惑送金後に凍結された。
スイス当局は現在、2007年から18年にかけての各口座の動きについて調査中で、それに関する資料は後日、ブラジル検察庁に届けられることになっているという。
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