連邦警察が5日朝、カルネ・フラッカ作戦第3弾のトラパッサ作戦を敢行し、ブラジル・フーズ(BRF)のペドロ・デ・アンドラデ・ファリア元グローバル最高経営責任者(CEO)ら11人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
5日の作戦では逮捕令状11件、強制連行と事情聴取令状27件、家宅捜索・物件押収令状53件が出され、連警警官270人と連邦監査官21人が、サンパウロ州、パラナ州、サンタカタリーナ州、リオ・グランデ・ド・スル州、ゴイアス州で任務を遂行した。
連警によると、農務供給省認可の研究所5カ所とBRF解析部は、食中毒の原因となるサルモネラ属菌のデータを捏造して加工過程の肉のサンプル調査の結果を改ざん、農務省の監査がBRFに及ばないようにしていたという。サルモネラ属菌は鶏肉などに良く見られるが、高熱で調理すれば死滅する等、適切な方法で処理すれば消費者へのリスクは軽減できる。
ファリアCEOは、元理事で元副CEOのエリオ・ルーベンス・メンデス・ドス・サントス・ジュニオル容疑者に命じて、検査上の不正が当局に知れないよう、徹底的な措置を講じるよう命じていたという。今回の作戦では、文書偽造や、計画的かつ専門的な犯罪組織の形成、公衆衛生上の犯罪などが問われる。
公衆衛生上の問題が指摘された一例はパラナ州カランベイ市だ。この地域では養鶏場がサルモネラ菌によって汚染されたのに、然るべき機関への報告が行われておらず、BRFも、汚染された食肉が市場に流通するのを防ぐために必要な措置をとらなかったという。司法当局は、「一つの犯罪を隠すために別の犯罪が発生するという図式の存在は明白だ。複数の犯罪が重なれば、事実解離は不可能」としている。
カルネ・フラッカ作戦は、2017年3月に敢行され、農務省監査官ら59人が逮捕されたものが最初だ。初回は、工場の営業許可発行や食肉加工企業の監査の非合法性などが問われた。BRFは同作戦後、メディアへの釈明用の諸経費や製品保管費が増大、返品も増えるなどで、3億6300万レアルの損失を被った。だが、それでも懲りず、不正な形で工場の操業や製品の輸出・販売を続けてきた事になる。
BFRは世界有数の食肉加工会社で、鶏肉輸出は世界一だ。農務省は5日、BRFに食品検査基準の厳しい12カ国への製品輸出を禁じた。同社株は同日14時現在で17%下落、前営業日比40億レの損失となった。