ブラジル国家原油・天然ガス・バイオ燃料庁(ANP)の調べによると、ブラジルでは昨年、2004年の調査開始以来、初めて、エタノールの輸入量が輸出量を上回ったと、3、5日付現地紙・サイトが報じた。
これは、米国産エタノールの競争力がブラジル産を上回り、ブラジル北東部でのシェアを奪った事と、ブラジル国内のエタノール生産部門の投資が滞った事が要因だ。
17年のブラジルでは、エタノールの輸入量が輸出量を4億4500万リットル上回った。16年は輸出が輸入を9億5700万リットル上回っていた。輸入エタノールは、国内で消費された総量の1・7%に上る。
サトウキビ産業連合(Unica)の技術ディレクター、アントニオ・ロドリゲス氏は、2017/18農年期末の収穫高を計算すれば、輸入量と輸出量の差はなくなるだろうとした。
15年半ばごろ、ガソリン価格の上昇ストップと共に、エタノール消費の頭打ちは始まった。17年のエタノールの消費量は前年比で6・47%減少したが、ガソリンの消費量は2・63%増加した。
エタノールは発熱量が低く、ガソリンの7割程度の価格でないと燃費面で有利とは言えない。現時点でエタノールがガソリンより有利なのは、マット・グロッソ州とゴイアス州だけだ。
先週末現在のエタノールの州別平均価格を見ると、最安だったのはマット・グロッソ州の2・571レアル/リットルで、最高だったのはリオ・グランデ・ド・スル州の4・002レアル/リットルだった。