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上村さん「現代の日本社会を見たい」=大阪市・サンパウロ市姉妹都市交流で

訪日に期待をかたった吉川さん

訪日に期待をかたった上村さん

 大阪・サンパウロ姉妹都市協会(吉川秀隆会長)による招待で、昨年のブラジル日本語センター主催「第11回弁論大会」で優秀賞を収めた上村秀樹さん(24、三世)が、親善大使として訪日する。先月28日本紙を訪れ、5日からの研修に向け意欲を語った。
 これまでに10余人の研修生を送出し、6年前から毎年行われるようになった同協会の派遣制度。今月初旬から約2週間に渡り、市役所への表敬訪問や大阪府を中心に企業等の視察を行う。
 上村さんは、スザノ市生まれ。5~14歳まで地元の金剛寺学園で日語を学んだ。「家族での会話も基本的に日語のみ。家族のかけがえのない支えがあってこそ」と感謝を滲ませる。同学園卒業後も独学を続け、友人と勉強会を開くなど努力を続けてきた。
 昨年弁論大会のテーマとなったのは「もったいない」。歴史好きという上村さんは、それがどのように日本文化に根付いてきたのかを調査した。「江戸時代には、灰が染物にも使用された。ゴミという概念が全く違い、捨てずに蘇らせる循環型社会だった」と興味深げに語る。
 サンパウロ・大阪姉妹都市委員会の花田ルイス・コーディネーターは「元研修生のネットーワークができ、非常に心強い若者が育ってきている」と目を細め、「日本の大人の社会を肌で感じる貴重な機会。来年で姉妹都市交流は50周年を迎え、大事な節目になる」と期待を寄せた。
 これで3回目の訪日となる上村さんは「学生時代とは一味違った訪日になるはず。今年で明治維新150年と聞くが、変化しつつある現代の日本社会を自分の目で見ることが出来れば」と意欲を語った。