6日、高等裁判所(STJ)で、ルーラ元大統領が刑務所での服役を逃れるために提出した、人身保護令適用を巡る審理が行われ、判事投票5―0で要請が却下された。これで、ルーラ氏が刑務所に入るか否かは最高裁(STF)の判断次第ということになった。7日付現地紙が報じている。
この日の裁判は、同裁第5小法廷の判事5人によって行われた。最初に票を投じたのは、STJのラヴァ・ジャット作戦報告官のフェリックス・フィッシャー判事だ。同判事は「さらなる抗告の可能性はあるが、連邦第4地域裁(TRF4)での第2審への控訴審が終わった時点で、ルーラ氏が実刑を受けることには何の違法性も存在しない」と語り、人身保護令適用を認めなかった。
さらに、ジョルジ・ムッシ、レイナウド・フォンセッカ、リベイロ・ダンタス、ジョエル・パシオルニックの4判事がそれに続いた。
判事投票の前にはルーラ氏の弁護側の主張も行われ、元最高裁長官のセプールヴェダ・ペルテンセ氏が「メディアからのプレッシャーが、ルーラ氏告発のための誤った判断を導いている」と主張したが、フランシスコ・サンセヴェリノ検察庁副長官は「ルーラ氏だけ特別扱いすることはできない」と反論した。
これでルーラ氏に残された道は、「TRF4に1月の第2審の控訴を行う(実施済み)」「STJにTRF4の判決差し止めの特別控訴を行う」「STFにTRF4の判決差し止めを求める」の三つとなった。だがその前に、「第2審でも有罪となった時点で刑執行」という原則に関してSTFに再審理を求める可能性が生じてきている。
STFのカルメン・ルシア長官は「当面はこの件の審理は行わない」方針を決めている。だが、2016年10月にSTFが同件について審理した際は判事投票6対5の接戦で「2審後」になったものの、その後にジウマール・メンデス判事が見解を変え、「3審後」としていることから、再審理を求める声がSTF内外で強くなっている。
ジアス・トフォリSTF副長官は6日、別の人身保護令2件に対し、ブラジル弁護士会(OAB)と全国衛生党(PEN)が出した「2審で有罪となった時点で刑執行か否か」の判断を求める裁判が終わるまで、人身保護令は出せないとの見解を示し、同件についての判断を急ぎたい心情を見せた。エジソン・ファキン最高裁判事はルーラ氏からの人身保護令適用要請を却下したが、第2小法廷は大法廷に回す判断も行っている。
STFによる原則見直しがない場合、ルーラ氏はTRF4への控訴審で判決が覆らない限り、控訴審結審後、収賄罪と資金洗浄の容疑で12年1カ月の服役開始ということになる。