4日(日)午後、NHK俳句を見ていたら、選者の今井聖氏が横浜高校野球部元監督の渡辺元智氏に「スランプに陥った時はどう指導するのか」と質問した▼長女とスランプについて話合った直後だった事もあって聞き耳を立てると、「現場を少し離れ、原点に戻るよう教える」と答えた。野球ならキャッチボール、俳句なら物事を良く見る事が原点に戻る事にあたるとの会話に感じるところがあり、監督の名前を急いでメモした▼渡辺氏は24歳で母校の野球部監督に就任、全国制覇5回などの栄えある結果を残した。その後、終身名誉監督となったが、全国の青少年育成に携わるために退任。学生時代に壁にぶつかり、目標を失って投げやりになった経験があるせいか、指導時の座右の銘は「富士山に登る第一歩、三笠山に登る第一歩、同じ一歩でも覚悟が違う。どこまで登るつもりか、目標がその日その日を支配する」だったという。同氏の講演会要旨には、「一流になるには一流の人と付き合いなさい」と教えられたとも書かれていた▼これらの情報は皆、17、18日にあったカラオケのサンパウロ州大会(パウリスタン)前後に考えていた事と見事に重なる。同じ歌うのでも、パウリスタンやブラジレイロン(全国大会)を視野に置く人と、ただ単に好きで歌っている人では、思い入れや練習への熱意がまったく違う。手本となる歌手の歌を何度も聴く事は原点に戻る事だし、一流の人との付き合いは自分を変え、広げてくれる▼パーカッションを勉強中の長女と自称下手の横好き歌手のスランプ談義は今のところ中断中。とはいえ、どんな世界にも、共通する原則があるものだと再認識した午後だった。(み)