公式な公示日を5カ月後に控え、大統領選候補として名乗りを上げている人物が現時点で11人いると、9日付エスタード紙が報じている。
8日、民主党(DEM)と民主労働党(PDT)は、それぞれに党大会を行い、前者はロドリゴ・マイア下院議長、後者はシロ・ゴメス氏が大統領選に出馬する旨を正式に発表し、共に所信表明演説まで行った。
この2人の正式出馬表明で、現時点で大統領選出馬が正式に確認されたのは11人となった。
11人というのは前回2014年の最終的な出馬者と同数だ。その前の選挙では、2回続けて候補者が10人を切っていたから、現時点でいかに候補が多いかがわかるはずだ。
11人の顔ぶれを見てみると、左翼候補がルーラ元大統領(労働者党・PT)にマヌエラ・ダヴィラ氏(ブラジル共産党・PCdoB)、ホームレス労働者運動(MTST)リーダーのギリェルメ・ボウロス氏(社会自由党・PSOL)、そしてシロ氏の4人だ。
PDTとPCdoBは、例年ならPT候補を支援する役割をつとめていた。だが、今回はルーラ氏が、収賄と資金洗浄容疑の2審判決でも12年1カ月の実刑判決を受け、逮捕される可能性があることと、フィッシャ・リンパ法適用で出馬できなくなる可能性が強いため、独自候補を繰り出した形だ。
中道は、新党ポデモスのアウヴァロ・ジアス氏や、元大統領のフェルナンド・コーロル氏(キリスト教労働者党・PTC)、民主社会党(PSDB)のジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事だ。マリーナ・シウヴァ氏(レデ)は左派の印象も強いが、エスタード紙は彼女もここに加えて4人としている。
右派はマイア氏と、新党ノーヴォのジョアン・アモエード氏の2人。
そして、極右候補が、7日に自由社会党(PSL)に移籍を発表したばかりのジャイール・ボルソナロ下議だ。
この他にもまだ泡沫系政党の候補の存在があり、さらに、テメル大統領の民主運動(MDB)を中心とした連立与党を代表する候補がこれから名乗りをあげてくる可能性が高い。
ABC連邦大学の政治学者ヴィットール・マルシェッティ氏は、今回は18人が出馬する可能性があるとした上で、「これまでの最高は22人が出馬した1989年だ。同年は民政復帰で新しい秩序を作るために多くの候補者が出たが、今回は腐敗した政治を解体するための選挙だ」と分析している。
同氏は、候補者乱立で票割れは避けられないが、「1次投票で20%を超える支持率を得た候補には勝算がある」と見ている。