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《ブラジル》セアラー州=州都中央部で銃声が響く=一夜に3カ所で7人死亡

 ブラジル北東部のセアラー州州都フォルタレーザで9日夜、武装集団が3カ所で7人を殺害、7人を負傷させる事件が起きた。
 最初の事件は、午後11時30分頃、市内中央部ベンフィカ区のジェンチランジア広場で起きた。この広場は学生達も集まる場所の一つで、この夜も大勢の人が集っていたが、ホンダのシビックに乗った男達が群集に向かって発砲し、3人が死亡、1人が負傷した。
 他方、フォルタレーザ・スポーツクラブの応援組織「トルシーダ・ウニフォルミザーダ・フォルタレーザ(TUF)」があるヴィラ・デメトリオ区では、この事件と並行するように、別の車に乗った一行が、TUFの本部前で集って酒を飲んでいた青年達に銃弾を浴びせる事件が起きた。ここでは1人が即死。負傷者の内、重体だった2人も病院で死亡した。
 犯人達はジョアキン・マガリャンエス街を通って逃亡したが、その際、TUFのユニフォームを着て買物に行き、現場に戻って来たバイクの2人乗りの青年にも銃弾を浴びせた。2人の内の1人は即死、もう1人は救助され、入院加療中だ。
 警察はライバルチームの応援団同士の抗争という可能性も念頭においていたが、9日には既に、その可能性を否定。刑務所の中にいる犯罪組織のメンバーが、武器や銃弾が押収された事への報復として命じた殺害事件との見解を明らかにした。
 また、11日には、TUFの傍の防犯カメラの映像から車1台が特定され、犯人と思しき男性1人が逮捕された。車はメイレレス区のビルの車庫に保管されており、火器3丁と銃弾、拳銃の銃装填器も押収された。
 警察は、ジェンチランジア広場での事件では犠牲者の中の2人が麻薬を売買していた事や、その1人が持っていたポシェットに大麻やクラック、現金が入っていた事から、麻薬売買に絡んだ殺害事件の可能性が強いと見ている。
 他方、TUF関係者が巻き込まれた事件は、その前の週の週末に起きた応援団同士の喧嘩で、怪我人が2人出た事への報復と見られている。
 ジェンチランジア広場では12日朝、セアラー州連邦大学学生らが集まり、花やろうそくを手向けて被害者達を追悼、平和を祈る集会を開いた。
 ファオルタレーザ大都市圏では今年、複数の死者が出る事件が頻繁に繰り返されている。主なものは、1月に起きた、武装集団がフェスタに侵入し、14人を殺害した事件、2月に起きた、サンパウロ州の犯罪組織の長の一人(通称ジェジェ・ド・マンゲ)と、その仲間(通称パッカ)が殺害された事件、3日に起きた女性3人の拷問、惨殺事件などだ。
 同州では昨年、殺人事件が5134件発生し、新記録を更新した。特に増加が著しいのはフォルタレーザ市で、17年の死者は前年比96・4%も増えている。
 連邦政府はジェジェ・ド・マンゲ殺害事件後、同州に軍の兵士を派遣する事を決めた上、同州に連邦警察の地域諜報センターを設置する事を決めた。(9、10、12日付G1サイトなどより)