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原田清さん=『世界の弁護士』に記載=ブラジル人初、国際弁護士会合で

会合に出席した原田氏(中央)

会合に出席した原田氏(中央)

 日系弁護士の原田清さん(77、二世)が1月25日から30日の間、イタリアのミラノ大学で行われた『第15回ミラノ国際弁護士会合』でブラジルの弁護士として初めて主賓(パトローノ)の名誉に浴し、同会合の公式出版物『世界の弁護士』に名前が記載された。
 同会合は南米、欧州、アフリカにおける弁護士の認識共有を目的とする「国際弁護士協会」が主催している。同会合には亜、伯、西、伊、葡の5カ国の弁護士が参加した。
 会合初日の開会式では在ミラノブラジル総領事館のパウロ・コルデイロ・デ・アンドラーデ・ピント総領事、ミラノ弁護士協会のレモ・ダノヴィ会長が出席し歓迎の挨拶を述べた。表彰も行なわれ、原田氏に記念プレートが贈られた。
 翌日ミラノ市内のブライデンセ国立図書館の見学が行われ、原田氏は自分の著作を寄贈した。その後、近代刑法の礎となった『犯罪と刑罰』の著者チェーザレ・ベッカリーアを顕彰し、ミラノ大学で原田氏を含む8人が基調講演を行なった。原田氏は「租税犯罪に関する法的展開」をテーマに発表した。
 講演後、参加者に『世界の弁護士』第6巻が配布され、オロスコ教授からベッカリーア氏の肖像が刻印されたメダルが授与された。第6巻には原田氏の名前と講演内容などが記載されている。
 27日は原田氏の妻で弁護士のフェリシアさんとともに、ミラノ中央裁判所の司法年度開会式に出席した。式典ではマリア・アンナ・タバッシ所長による1時間半にも及ぶ講演会が行われた。
 原田氏はミラノ中央裁判所から贈られた同裁判所の出版物の内容に触れ、「同国では約68%の裁決が6カ月以内に行なわれ、14%が6カ月~1年、11%が1~2年、7%が2年以上。ミラノでは裁判官は一日中裁判の仕事しかしないのでこれだけ早い。裁判官が大学の講師をしたり講演会を行うブラジルと全く違う」と驚きを語った。
 最後に「同会合15年目にしてブラジル人で初めて、ベッカリーア公爵が生まれたミラノ市で表彰を頂いてとても嬉しい」と喜びを語った。