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《ブラジル》ロライマ州=10日から麻疹の予防接種=8人の感染確認、1人死亡

 【既報関連】2015年以降、ベネズエラ人流入が続くロライマ州で、麻疹(はしか)が原因らしき死者も出るなど、同病患者が急増。10日から予防接種キャンペーンを始めたと同日付G1サイトなどが報じた。
 ロライマへのベネズエラ人流入は、隣国での社会的、財政的な危機拡大で、食料も十分に手に入らない状況が続いているのが原因だ。ロライマに来た人の多くは食料や仕事を求めて来ているが、医療を求めて来る人も多い。食料も足りず、予防措置や治療も施されないために、数年前から同国で流行を繰り返している病気の一つが麻疹だ。
 ロライマでは、2月12日にベネズエラ人の1歳児が麻疹に罹っている事が判明。17日は、患者やその家族が滞在した事もある収容施設や彼らが野宿していた広場に住むベネズエラ人への予防接種が行われた。
 だが、感染が疑われる症例報告は続き、10日には、8人の感染が確認された他、31人が検査中と発表された。
 同州での麻疹患者や感染が疑われる患者増加への懸念は、スエリー・カンポス知事が7日に、「29人が感染している可能性があり、これ以上の流行を避けるために、例年は8月に行う3種混合の予防接種キャンペーンを前倒しする」と発表した事からも明らかだ。8人の感染はこの時点で既に確認されており、肺炎や栄養失調などで2日に死亡した4歳児も、感染の有無を調査中だ。
 予防接種キャンペーン初日の10日は、州都ボア・ヴィスタなど計15市、61の施設で、麻疹を含む3種混合ワクチンの接種が行われた。同州保健局によると、接種対象は生後6カ月~49歳で、ブラジル人30万人とベネズエラ人10万人の計40万人に接種を行う予定だ。接種施設も、固定施設97カ所と移動施設33カ所に増やす。同州で確認された患者8人の大半はベネズエラ人で、1~14歳の子供7人はサントアントニオ小児病院で入院加療中だ。
 なお、ロライマ州に隣接し、連邦政府がベネズエラ人を移送する予定地の一つであるアマゾナス州でも麻疹感染が疑われる患者が7人いる。マナウス市では15日から、同市とボア・ヴィスタを繋ぐ国道174号線沿いの地区などから予防接種キャンペーンを始める。