ブラジルのインフラ事業に積極的に進出している中国企業、中国交通建設股份有限公司(CCCC)の南米総責任者、チャン・ユンボ氏が、「ブラジル国内の全ての鉄道事業を注視している」と語ったと、19日付ブラジル紙が報じた。
先週開かれた、ブラジル北東部マラニョン州都サンルイス市の港建設での着工式参列のために、ブラジルを訪問中の発言だ。同港は多様な貨物を扱う民営の多目的ターミナル港で、投資総額は20億レアルと算出されている。
サンルイス港が完成すると、同市の貨物扱い量は、1910万トンの公立イタキ港とあわせて、ほぼ2倍になる。
同港建設を請け負うコンソーシアムの中でのCCCCの資本参加率は51%で、ブラジルのWPR社が24%、投資ファンドのリヨン・キャピタルが20%参加している。残り5%は小規模企業の参加比率だ。
マット・グロッソ州とパラー州を鉄道でつなぐフェログラン計画、トカンチンス州とサンパウロ州を鉄道でつなぐ南北線計画の他、サンパウロ州とブラジル南部3州内を走る貨物鉄道網のマーリャ・スル(南部鉄道)への参画にもCCCCは興味を示している。
チャン氏は詳細への言及を避けつつも、「我が社は北の港を手に入れ、今は南を見ている。両端が鉄道で繋がれば、非常に有効な物流戦略の基軸となる」と語った。
中国企業はブラジルのエネルギー部門、港湾、鉄道だけでなく、農業部門でも活動を広げている。中国の人口は13億人で、ブラジルの穀倉地帯を抑え、食糧自給に活用する図を描いている。昨年のブラジルからの大豆輸出の79%は中国向けだった。