14日にセウソ・デ・メロ最高裁判事がカルメン・ルシア長官に申し入れた、「2審での有罪判決後に刑を執行するか否かに関する非公式会合」が、20日に行われる可能性があるとG1サイト午後3時版記事が報じている。この話し合い次第で、この問題についての再審理を行うか否かが決まる可能性がある。月末にも逮捕の可能性があると噂されるルーラ元大統領に直結する問題だけに注目を集めている。ベージャ誌サイト20日午後4時24分付記事によれば、カルメン長官は20日と見られていた非公式会合を21日に延期し、「公式会合」にしたと報じた。
G1サイトで20日午前7時に政治ジャーナリストのエリオ・グロビッツ氏は「カルメン・ルシアは耐えられるか?」との題名のコラムを発表、「『2審有罪で即逮捕』の問題に関し、最高裁は最終的な判断を下さなければいけないが、いまどんな動きをしてもルーラを刑務所行きから救うための試みにしか見られないだろう」と断定した。
この件に関しては、1月にルーラ元大統領が第4連邦地域裁(TRF4)でサンパウロ州グアルジャーの三層高級住宅を介した収賄と資金洗浄の容疑で12年1カ月の実刑判決を受けた直後から、判断を明確化すべきとの議論が高まっていた。
カルメン長官は当初、16年10月に最高裁で行った審議結果を生かす方向、つまり「2審有罪で刑執行する」との解釈のままで改めて投票を行わないと強く主張してきた。
だが、16年10月時の審議結果が6対5と僅差で、それから判事が入れ代わっている。また当初「2審有罪後」派だったジウマール・メンデス判事が見解を変え、ジアズ・トフォリ副長官らが主張する「3審後に」派になったとの説があることなどから、最高裁内部で再度の審議を求める声が強くなっていた。
そこでセウソ・デ・メロ判事がカルメン長官に「非公式な会合」を申し入れた。G1サイト20日午後3時版記事では「長官はまだ(会合の)招待状を出していない」と報じている。
「3審後」派に転じたと目されているメンデス判事は19日、「第2審後に逮捕を逃れるために人身保護令(HC)を求めた諸々の請求にまとめて了承を出すか」という案件に対し、「出さない」との見解を示して注目を集めた。
同判事は「何もかもを認めるわけにはいかない。法のシステムが崩れてしまう」と語り、「2審有罪の場合、いつでも逮捕免除なわけではない」との考えを改めて強調した。同判事は政治家や実業家に人身保護令を適用させる傾向が強いとかねてから指摘されている。
メンデス判事への世論の風当たりは日々強まっており、サンパウロ市では19日午前中、同判事が乗る自動車にトマトをぶつける抗議行動が行われた。