民主社会党(PSDB)は20日、ブラジリアで党中央執行部会を開き、ジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事を同党の大統領候補とすると正式に発表した。アウキミン氏は社会保障制度改革に重点を置くことなど、自身の公約も掲げた。21日付現地紙が報じている。
アウキミン氏が同党の大統領候補となることは同氏が同党党首に就任した時点で確実視されていたが、アマゾナス州マナウス市長のアルトゥール・ヴィルジリオ・ネット氏が党内の予備選出馬を取り下げたことで、決定的となった。ただし、大統領候補としての正式公認は、6月末か7月はじめの党大会でとなる。
アウキミン氏は執行部会後に行われた会見で、社会保障制度改革に重きを置くことを認め、当選した場合には1年目から提案を行うことを明言した。
社会保障制度改革は現政権でも進めていたが、アウキミン氏はテメル大統領には協力的でなく、大統領もPSDBが非協力的だったことを2月に社会保障制度改革を断念したことの理由にあげていた。テメル大統領は、自身が不人気だから、PSDB側が同件に絡むのを拒んだのではないかと見ている。
アウキミン氏はメディアの前で、民間の労働者と公務員との間で支払われる社会保障の額に開きがあることを批判したが、現政権が提唱していたのと同様の改革を行うのかとの問いには答えなかった。また、連邦政府の2017年の基礎的収支の赤字額が1200億レアルにも及ぶことを取り上げ、テメル政権の経済政策を批判した。
また、勤続年数保障基金(FGTS)算出基準の見直しなどを行う意向も明らかにした後、タッソ・ジェレイサッチ上院議員を政策上のコーディネーター役とすることも明言した。
タッソ氏は昨年、前党首だったアエシオ・ネーヴェス氏がJBSショックで党首を停職処分になった際に党首代行をつとめ、アウキミン氏が大統領候補になるのを後押しした人物として知られている。同氏は上議の任期があと4年あり、今回の統一選を戦う必要がないため、選挙戦全体を見渡しながら、政策面の構想を練ることになった。選挙期間中の経済政策立案は、元中央銀行総裁のペルシオ・アリーダ氏が担当する予定だ。
また、サンパウロ州副知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)と、PSDBのジョアン・ドリア・サンパウロ市市長のふたりがサンパウロ州知事選を争うことになったことに関しても、アウキミン氏は「私が両者を応援することになっても、道義的な問題は発生しないと思う」との見解を示した。
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