これまでのハイブリッド車は、ガソリンと電動機を併用することで、電気自動車の欠点である低出力をガソリンエンジンで補完し、排出ガス削減と実用性の両立を実現していた。
だが、ブラジルトヨタは19日、ガソリンの替わりにエタノールを使えるエンジンと電動機を併用して走るハイブリッド車、プリウス・フレックスのテスト走行を始めたと20日付現地紙が報じた。
ブラジルトヨタは、将来的にこのハイブリッド車の生産を視野に入れており、政府がこのようなタイプの車にどのように課税するのか注視している。
他社に先駆けたこの技術は、同社のブラジルと日本の技術者たちによって開発された。試作車は、2013年から輸入が始まった、ガソリンと電力で走る日本製の車種を参考にしている。
トヨタはプリウスを中心に、世界で1100万台、ブラジルでは2400台のハイブリッド車を販売してきた。
現在販売しているプリウスには、輸入税4%、工業製品税13%がかかり、市場価格は12万6600レアルとなっている。ハイブリッド車や電動車への工業製品税率を7%に下げることも含んだ、Rota2030の実施は現在検討中で、テメル大統領は4月にもゴーサインを出す可能性がある。
トヨタ自動車中南米・カリブ地域CEOのスティーブ・セント・アンジェロ氏は、「世界で最もクリーンなハイブリッド車」と胸を張り、「環境対策車への政府からの支援さえあれば、この新型車はブラジルで現実のものとなる」と語った。
同型車はガソリンも使えるが、サンパウロ市~ブラジリア間のテスト走行はエタノールのみを燃料として行われる。