ブラジル中銀は20、21日に行われた通貨政策委員会(Copom)で、経済基本金利(Selic)を、現行の年利6・75%から0・25%ポイント引き下げ、年利6・50%にすることを決定した。21、22日付現地紙・サイトが報じた。
この決定の直前には、米国の連邦準備制度理事会が米国の政策金利を0・25%ポイント引き上げ、「年利1・50~1・75%」としていたが、ブラジルの利下げムードへの影響はなかった。
Selic引き下げは一昨年10月以来12回連続で、この間に年利14・25%から同6・50%へと7・75%ポイントも下降した。
ブラジル中銀発表の文書には、「次回のCopomにおいても、緩やかな金融緩和の継続が適切であると考える」と記されており、「今回で利下げは打ち止め」と考えていた金融関係者は、驚きを隠さなかった。
Selic引き下げは景気浮揚効果もあるが、インフレ過熱要因にもなる。しかし、今年2月末締めの過去12カ月間の累積インフレ率は2・86%で、政府のインフレ目標4・5%を大きく下回っている。インフレが低いままなら、景気浮揚という金利引き下げの利点だけを強調した、更なる利下げが可能だ。また、Selicが低いと国債などの利息の払い出し額が減り、国庫負担が軽くなる。
Copom出席委員たちも、「景気回復の流れは強まっているものの、年始のインフレは想定よりも弱い」と認識しており、中銀も今年と来年のインフレ予測を引き下げたばかりだ。
次回Copomは5月15、16日に予定されている。Selicはレアルプラン採用以来の最低金利をさらに更新し、6・25%となる可能性が濃厚となった。
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