6月のロシアワールドカップ開幕まで残り3カ月を切った23日、ブラジル代表がロシア代表とモスクワで親善試合を行い、3―0で勝利した。
会場となったのは、W杯本番の開幕戦や決勝戦の行われるルジニキスタジアム。モスクワでは二つの会場が使われるが、ルジニキスタジアムがメイン会場の扱いだ。
チームの大黒柱のネイマール(PSG)が負傷中で、その代役に入ったのはダグラス・コスタ(ユヴェントス)。また、これまでレギュラーだったレナト・アウグスト(北京国安)も、現在好調のウィリアン(チェルシー)にその座を譲った。
さらにセンターバックのレギュラー、マルキーニョス(PSG)に代わり、同じPSGでチームメイトの前回大会主将、チアゴ・シウヴァが入った。
チッチ監督は「怪我さえなければ、16人のロシア行きは決定」と明言しており、当落選上の選手たちにとっては、この試合と、27日のドイツ戦(ベルリン)は、23人の枠に入るための残り7枠を巡るアピールの場でもあるが、慎重なチッチ監督はレギュラーの入れ替えを3人にとどめた。
ロシアはブラジルの攻撃力を警戒し、5人のディフェンダーを配置した。本番もこのシチュエーションは常に想定され、ブラジルにとっては「固いディフェンスをいかに崩すか」というテストになるはずだった。
しかし、前半は、開始早々の4分にガブリエル・ジェズスがチャンスを迎えた以外、ボール保持率では相手を上回るものの、決定機を作り出せずに終わり、逆にロシアにカウンターを許し、あわや失点のシーンも作られた。
後半に入り、攻撃の勢いをあげたブラジルは2分、6分に立て続けにチャンスを作ると、7分にはコーナーキックからミランダ(インテル)が押し込み、先制した。
17分には、パウリーニョがペナルティエリア内で倒されて得たPKをコウチーニョ(FCバルセロナ)が落ち着いて決め、2―0とした。
20分には、パウリーニョ(FCバルセロナ)がヘディングシュートでだめ押しし、ブラジルの勝利を決定的にした。
それからは控えメンバーを続々と投入し、テストモード、アピールモードになった。攻撃系の選手も多く試されたが、短時間に6人もの交代を行ったことで連携が落ち、その後は無得点に終わった。
チッチ就任後初の対欧州勢勝利、スタッフも含め、貴重なロシアの地に慣れる予行演習、3―0の完勝と、多くの収穫を得たブラジルは、いよいよ、4年前の1―7の雪辱戦となる、ドイツ戦に臨む。(規)
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