「世界水の日」の3月22日朝、ブラジリアの連邦議会前に、巨大なトイレ(便座)の風船人形が現れた。
大西洋岸森林地帯の保護を呼びかける非政府団体のSOSマッタ・アトランチカが呼びかけて行った抗議行動は、水資源の利用方法に対する警告を発し、下水道の普及を訴えるためのものだ。風船人形は高さ12メートルに及ぶ巨大なもので、便座の蓋に当たる部分には、水道の蛇口の絵や、衛生設備を直に整えるよう要求する「SANEAMENTO JA」の文字などが書かれている。
抗議行動への参加者達は、環境許可の基準を緩和する提案が議会に提出された事などを強く批判した。SOSマッタ・アトランチカで広報を担当するマリオ・マントヴァニ氏は、「我が国では70%の下水が川に垂れ流されている。ブラジルで発生する病気の70%は水が原因だ。病院に行かなくても良い環境を整える事を考えなければならないのに、選挙戦では、病院を造る事などを約束する候補者しかいない」と嘆いた上で、「下水道整備に関するプロジェクトもあるが、中身はいい加減だ。ブラジルの下水道整備計画の大半は汚職絡み」とも批判した。
「世界水の日」を記念して17日から開催されていた世界水フォーラムでは、大西洋岸森林地帯の294カ所で湖や川の水質を調べたところ、飲用にも適した上質な水と判断されたところは4・1%のみだった事なども報告されている。
抗議行動に参加した、17州からの青年70人は、各々の暮らす州で水質検査などの働きに参加しているという。
水フォーラム最終日の22日は、水資源の保護などを訴えるデモ行進も行われ、約7千人が参加した。(22日付アジェンシア・ブラジルより)