【既報関連】22日午後、最高裁大法廷がルーラ元大統領からの人身保護令の審理を行ったが、時間切れで4月4日に審理が延期されたため、それまでは元大統領は逮捕されない事を保証する暫定令が出されたと23日付現地紙が報じた。
この日の最高裁は、出所を隠した形で行われる企業からの選挙献金を禁ずる件の審理で始まり、ルーラ氏の人身保護令に関する審理はその後に開始された。それもあり、人身保護令そのものに関する審理は行われずに終わったが、元大統領弁護団は、同件に関する結論が出るまでは逮捕しない事を保証する暫定令を獲得し、少なくとも数日間の延命に成功した。
21日に起きた判事同士の口論で中断した企業からの選挙献金に関する審理は、前日に大勢が決まっていた事もあり、再開から1時間半後に企業献金禁止で結審した。
だが、ルーラ氏の人身保護令に関する審理は、最高裁で審理する事の是非を問う事から始まったため、審理の順延、結審までは逮捕されない事を保証するか否かの3点の決を採るだけで4時間を要した。
ルーラ氏への人身保護令適用は、高等裁のウンベルト・マルチンス判事が1度、最高裁のエジソン・ファキン判事が2度棄却している。また、1日の高等裁第5小法廷でも、全員一致で同令を棄却している。
5人の判事が同令適用を拒んだ後、ルーラ氏の弁護団は、高等裁に告訴するのではなく、最高裁に上告する道を選んだ。これは、ある意味で正規のステップを越えた手続きであるため、ファキン判事は審理の是非を問うたが、7対4で審理を受け付ける事になった。
だが、この時点で通常なら審理が終わる時間帯になっていたため、人身保護令に関する審理を4月4日に順延する事が話し合われ、これも、7対4で延期が決まった。
この際、ルーラ氏側弁護団が、「第4地域裁での控訴審が26日に持たれるが、もう既にルーラ氏の刑執行は決まっている」と主張し、人身保護令の審理が終わるまでは自由の身でいる事を保証するよう要請した。
ラケル・ドッジ検察庁長官は異を唱え、ファキン、アレッシャンドレ・デ・モラエス、ルイス・ロベルト・バローゾ、ルイス・フックス、カルメン・ルシアの5人も、暫定令は過去の最高裁の判例に逆行する、元大統領だけ特別扱いするのは不当などの理由を挙げて反対した。だが、ローザ・ウエーベル、ジアス・トフォリ、マルコ・アウレリオ、リカルド・レワンドウスキ、ジルマール・メンデス、セウソ・デ・メロの6人が賛成し、当面の逮捕を禁ずる暫定令を出す事が決まった。
ルーラ氏自身は、この日も南大河州で選挙戦を睨んだキャラバンを行っていたが、最高裁前の広場では、ルーラ氏支持派と反対派が互いに抗議行動を行いつつ、裁判の行方を見守った。