23日から25日の3日間、サンパウロ南部のインテルラゴス・サーキットでロック・フェスティバル「ロラパルーザ」が開催され、史上最高の30万人の動員を記録する賑わいを見せた。
第7回目の昨年は、2日間の開催で19万人の動員を記録。今年は開催日を1日増やし、開催各日で10万人の動員を目指したが、その目標通りとなった。
今やサンパウロ市の有力観光資源にもなっているロラパルーザには、大手企業のスポンサーも目立つようになってきた。今年はスナック菓子のドリトスが「ロラパルーザ・ドリトス」を製造したのをはじめ、高級車のシボレーが、同社の人気車「オニキス」の愛用者だけを対象にした前夜祭を主催。ペトロブラスや整髪料メーカーのアシェーなども出資した。
また、今年は運営内部にも変更が見られた。これまでは「移動距離が長い」「その移動の波で人の渋滞が起こる」といった不満の声が上がっていたが、今年は、第3ステージを第2ステージの脇に持ってくることで移動時間と距離を大幅に短縮。これで、第1、第2、第3ステージのそれぞれの出演者が見やすくなり、これまでは「移動と時間帯のかぶりで思ったように出演者が見られない」とされていた苦情に対応した。
また、旧第3ステージがダンス・ミュージック専用の会場に特化し、旧ダンス・テントがグルメ食堂となり、飲食のクオリティも上がるなどの効果も見られた。
出演者のバランスも、レッドホット・チリ・ペッパーズやパール・ジャムなど、30~50代に人気のロックバンドを第1ステージのトリに、イマジン・ドラゴンズやラナ・デル・レイといった10~20代に人気のアーティストを、実は第1ステージよりも面積の大きい第2ステージの最後を飾る出演者にすることで、話題性とバランスをうまくとった。
また、チャンス・ザ・ラッパーやカリードといった、R&Bやヒップホップのアーティストが例年以上に目立ったため、黒人客が増えたのも特筆すべきところだろう。
現地紙が注文をつけていたのは、ブラジル人アーティストの出演時間が、遅くて午後3時台ときわめて早く、観客の多くがまだ入場しきっていない時間帯で終わることか。ただ、アメリカやイギリスからそれなりのビッグ・ネームが来ている上に、ブラジル国内のロックやヒップホップのアーティストたちの人気に限りがある状況では、現状ではいたしかたなしか。
現地紙の意見をまとめると、パール・ジャム、デヴィッド・バーン、LCDサウンドシステムの3つはベストに推す声が目立つ。また、ネット上では、動員観客数で圧倒的だったイマジン・ドラゴンズとラナ・デル・レイが良かったとする声が目立っている。レッドホット・チリ・ペッパーズがブラジルの名アーティスト、ジョルジュ・ベンのカバーを演奏したことなども話題を呼んだ。
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