エンリケ・メイレレス財相(社会民主党・PSD)が大統領選への出馬を目指し、4月初旬に財相を辞任することが判明した。同財相は、民主運動(MDB)に移籍し、大統領候補もしくはテメル大統領の副候補として出馬することが有力視されている。27日付現地紙が報じている。
メイレレス氏は23日、テメル大統領を訪ねて、辞任の意思を伝えたという。この際、後任として、財務省内部のマンスエト・アウメイダ氏かエドゥアルド・グアルジア氏の名前も挙げたという。
テメル大統領は現政権で経済が復興したことを売りにしており、26日にサンパウロ州商業連盟の会合で演説を行った際も、「現在の経済スタッフを崩してはいけない」と、財相辞任に難色を示す発言も行っている。
現状ではグアルジア氏が後任に最も近いと見られている。ロドリゴ・マイア下院議長も同氏の就任を望んでいるという。
現政権の経済スタッフは、ジオゴ・オリヴェイラ企画相が社会経済開発銀行(BNDES)総裁に就任する予定にもなっており、メイレレス氏の辞任によって、これまでうまく機能していた経済スタッフがバラバラになることを、大統領は懸念しているという。
また、MDBは現在、リオ州治安部門への直接統治が国民に好意的に受け入れられていることを背景として、テメル氏再選に向けて動いている状態だ。だが、党内ではテメル政権そのものの支持率の低さなどを理由に、依然として反対勢力も根強く、まだ大統領候補を確定できずにいる。
メイレレス氏はMDBで候補が定まらないことに乗じて移籍を試みている。それは、大統領候補、もしくはテメル氏の副候補の確約が取れなくても強行するという。同氏が所属するPSDは、大統領選でジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事を推し、さらにサンパウロ州知事選でも、ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長の副候補を立てて支援するなど、民主社会党(PSDB)との連立体制が既に出来上がっており、メイレレス氏を擁立して大統領選を戦う意思はない。
メイレレス氏は、早ければ4月2日に辞任を表明するのではないかと見られている。その後にポルトガルと米国に行く行事が控えており、その前に辞めると思われる。
いずれにせよ、同氏が大統領選を狙うためには4月7日までの大臣職辞任が憲法で義務付けられている。党の移籍の期日も迫っている。
メイレレス氏は72歳と高齢でもあり、今回の大統領選がラスト・チャンスと言われているが、現状での国民の支持率は1%ほどと低い。