ジョアン・ドリア、サンパウロ市長は28日、市内西部の市営スポーツ総合施設、通称パカエンブー競技場の経営権民間委託計画の入札公告を発表した。
落札した企業は、今後35年間にわたって同競技場を経営する権利を取得すると共に、経営権取得後の3年間で2億レアル分の改装費を出す事が求められる。
ドリア市長は発表の場で、同競技場とその周辺のスポーツ施設は昨年、合計240万レアルの収益を上げたが、維持費などが830万レアルかかり、590万レアルの赤字だったことを明かし、入札に理解を求めた。
入札公告は20日間公開され、入札に関する意見や質問、改善案などを広く募集する。
具体的な入札説明書は4月24日までに発表され、入札企業が募集される。落札企業が決まるのは6月13日で、契約書の締結は7月31日に行われる予定だ。
落札企業は競技場の改修を行う事が義務付けられるが、ドリア市長によると、スタジアムは現状通りサッカー場として利用され、サッカー博物館もそのままの場所と機能を維持する事になっており、博物館の改修作業は開館時間外に行われるという。
落札企業には外装改修だけでなく、電気系統、排水設備、スタジアム内の通信系等の整備や、トイレの増設、選手用の更衣室や観客が利用する飲食設備などの整備も求められる。
スタジアム内のゴール裏はコンクリートが打ちっぱなしになっているが、そこにも座席の設置が求められ、陸上トラックや発電設備の整備も契約に含まれている。
サンパウロ市の民営化推進局長のウィルソン・ポイ氏は、「パカエンブー競技場は完全に売られてしまうわけではない。期間限定の経営権の民間委託だ。歴史ある競技場もオープンから78年も経ち、老朽化が目立つため、『民間企業の助力を得て改装する』というのが基本コンセプトだ」と語った。(28日付G1サイトより)