ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》エジソン・ファキン最高裁判事=「家族が死の脅迫受けた」=最高裁は護衛の増員で対処=「いつでも連警を出す」と治安相語る

《ブラジル》エジソン・ファキン最高裁判事=「家族が死の脅迫受けた」=最高裁は護衛の増員で対処=「いつでも連警を出す」と治安相語る

エジソン・ファキン判事(Nelson Jr./SCO/STF)

エジソン・ファキン判事(Nelson Jr./SCO/STF)

 巨大汚職摘発捜査ラヴァ・ジャット作戦関連の審理で、最高裁での報告官を務めるエジソン・ファキン最高裁(STF)判事が27日、TVインタビューで、自分の家族が死の脅迫を受けていると述べた。27、28日付現地紙・サイトが報じている。
 ファキン判事は同件をカルメン・ルシアSTF長官にも報告し、適切な措置を取るよう要請しているとも語った。
 「私が懸念しているのは、判決の事だけではない。私の家族の安全も危険に晒されているんだ」と、同判事は心情を吐露した。既に連警にも報告しているという。「自分自身に関して言えば、私は最高裁判事の職を自分の意思で務めているし、その事に感謝もしている。ただし、私の職責と直接関係がない家族に、もしもの事があって欲しくない」と語った。
 2015年に当時のジウマ大統領(労働者党・PT)によって任命されたファキン判事は、どの組織によって、また、何の活動、何の判決に不満で脅迫されているかまでは語らず、「公権力を行使する者は模範的な振る舞いをしなくてはならないのにそれが出来ておらず、ブラジルの秩序、権力の信頼性が溶解している」と実情を嘆いた。
 STFは27日、ファキン判事の護衛を増やした事を書面で発表し、クリチーバ市に住む、同判事の家族の護衛を増やす事も検討している。
 判事の発言は大きな反響を呼び、ラウル・ジュングマン治安相も同日、「ファキン判事はガローロ連警長官と今、会談したところで、『今は連警の助けは必要ない。カルメン・ルシアSTF長官が適切な措置をとってくれるだろう』とのことだった」とも語った。
 同治安相は、連警は他の判事を守るためにも準備が出来ているとした上で、判事への脅迫は許されず、「犯人は法によって厳しく罰せられなければならない」と語った。
 ファキン判事に限らず、STF判事が誹謗・中傷を受けるのは珍しい事ではない。レヴァンドフスキー判事は一昨年のジウマ大統領(当時)罷免審理の際、マルコ・アウレリオ・メロ判事は22日に行われたルーラ元大統領の人身保護令関連審理後に、激しい攻撃を受けた。ジウマール・メンデス判事も国内線の機内で乗客に罵られた事がある。
 また、ラヴァ・ジャットの第2審を担当する第4連邦地域裁(TRF4)の判事らも、1月に脅迫を理由に同州から家族を立ち退かせている。