ブラジル宮城県人会(上利エジガール会長)が24日午前10時から臨時総会を行った。外部の会計士に昨年度会計の監査を依頼することが決まり、定款改正も行なわれた。会議には上利会長、伊藤博マリオ副会長、1月28日の定期総会で議長を務めた笠井イルヴィンさんほか新役員、中沢宏一前会長、会員の鈴木典夫さんら約15人が出席した。
今回も議長となった笠井さんが議事進行し、佐藤栄記書記が定期総会の昨年度会計報告に誤りがあったことを指摘した。
定期総会時の報告では収入27万6516・22レアル、支出26万8259・83レと、約8千レが繰り越し金とされた。だが、新役員が銀行口座を確認すると繰り越し金額は約2千レのみだった。
佐藤書記は「なぜこのようなことが起きたのか」と質問すると、約20年前に会計を務めていた鈴木さんが、「金額の記入漏れなどのミスがあるのは当たり前、日本語には『しょうがない』という言葉がある。昨年度の会計はそのままにしよう」と冗談交じりに返答した。
これに対し、伊藤副会長が「しょうがないじゃないでしょう」と注意し、佐藤書記と鈴木さんの間でしばらく激しい口論が交わされた。加えて、中沢前会長から「昨年8月に母県から1万3千レの補助金が出ていたが、県人会の口座に入金し忘れていた」ことも明かされた。
会計問題に関しては、第三者の会計士に昨年度会計の監査を3ヵ月間を目処に依頼することが、全会一致で承認された。
続いて定款改正案が、笠井議長によって読み上げられた後、承認された。この定款改正により会長職の任期は2期4年間までとなった。2期目も改めて選挙が必要となる。「万年会長」体制を避けるための改正といえる。
この改正で、希望者は県人会内に「部」を作ることが可能になった。現在すでに白蓮空手部が活動している。
総会後、中沢前会長は「会計報告の記入誤りは監査役がやったこと。会計士を入れて監査するのは賛成」と述べ、「県も対応に困っているだろうが、今回のことは報告しなければ。新役員は今年の移民110周年に県知事が来られるような環境づくりをして欲しい」と要望した。
伊藤副会長は「役員が代替わりした今、ここで過去のミスをチェックしておかないと、今後は私達の責任になる。まずは県人会の問題を正すと共に、若い会員の増加を目指す」との展望を語った。
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宮城県人会の白蓮空手部は笠井シルヴィオさんが部長を務めている。師範はフラビオ・ナベイロ氏。月、水曜が練習日で、参加費は月々100レだそう。県人会の会員になるとなんと半額に。設立が進められているもう一つの部は、エスコテイロ(ボーイスカウト)部。サンパウロ市カンブシー区のエスコテイロ隊「ドゥケ・デ・カシアス」の副会長経験があるイシダ・エンリケさんが中心となり動いている。同県人会新役員の活動は波乱の幕開けとなった。立地も施設も素晴らしい会館を持つだけに、二、三世らの活躍で勢いよく巻き返しを図って欲しいところ。