3月24日から28日にかけて行われた、サッカー、サンパウロ州選手権準決勝で、パルメイラスがサントスFCを、コリンチャンスがサンパウロFCをそれぞれPK戦で降し、決勝に駒を進めた。
ブラジルで最もレベルの高い州選手権、サンパウロ州選手権は116年の歴史を持つ。サンパウロ州のみならず、ブラジル全国レベルの強豪でもあり、全てが南米大陸制覇の経験を持つサンパウロ州の4強チーム、サントス、サンパウロ、コリンチャンス、パルメイラスが合計105回優勝している。
今年の決勝で19年ぶりに顔を合わせる、優勝回数1位のコリンチャンス(28回)と、2位のパルメイラス(24回)は、共にサンパウロ市をホームとし、サポーターや選手同士のライバル意識も非常に強い。両者の対戦には、〃デルビー・パウリスタ〃と特別な名前もついているほどだ。
スタジアム内外の小競り合いや挑発だけに留まらず、ファン同士の喧嘩で死者も出ることもあるカード。当然、19年前の決勝もただではすまなかった。
コリンチャンスは、2回戦で争われる決勝の第1試合を3―0で勝利していた。第2試合の後半30分の時点でスコアは2―2。合計スコアは5―2で、「勝利は確実」とばかりに、コリンチャンスのFWエジウソン(元柏レイソル)が試合中にもかかわらず、ピッチで悠々とリフティングを始めたのだ。
これに激怒したパルメイラスの選手が襲い掛かり、両軍入り乱れての乱闘に発展した。主審は試合続行不可能と判断し、そのままコリンチャンスの優勝が認められた。
その後も、サンパウロ州選手権や全国選手権での両者の対戦は何度も起きているが、サンパウロ州選手権の優勝をかけた決勝での対戦となると、ライバル意識もさらに燃え上がる。
サッカー主要国中、州別の公式大会を行っているのはブラジルだけで、全国レベルのリーグ戦の日程が圧迫されるため、「力の落ちるチームとも対戦しなきゃいけないし、不要では?」とささやく声さえ聞かれる州選手権だが、決勝カードがコリンチャンス対パルメイラスとなれば話は全く別だ。
熱狂的なサポーターからは「ワールドカップでのブラジル代表の勝ち負けよりずっと重要」との声も聞かれる中、初戦の火蓋が切って落とされるのは31日だ。 (規)
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