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《ブラジル》ロライマ州=今度はジフテリア流行?=ベ国人への予防接種強化

 ベネズエラでジフテリア流行への警告が発せられた事を受け、ベネズエラ人が大量に流入しているロライマ州でも、同国人への予防接種を含め、ジフテリアに対する特別な対応策がとられる事になった。
 ジフテリアはジフテリア菌が持つジフテリア毒素が引き起こす上気道の粘膜感染症で、咽頭や扁桃、喉頭、鼻、生殖器、皮膚、腎臓や脳、中耳、目の結膜などが冒される事もある。
 潜伏期間は1~10日間で、喉の痛みやセキ、筋力低下、激しい嘔吐などが起こる。気道が詰まり、息が出来なくなると窒息死する事もある。また、神経麻痺や失明を起こす例や、回復期に心筋炎を起こし、突然死に至る例もある。
 感染経路はセキなどによる飛沫感染が多いが、患者との接触でも感染する。発症するのは10%程度で、症状が出ない患者との接触で感染する可能性もあるが、予防接種を受けていれば不顕性の感染も防ぐ事が出来る。
 ロライマ州では昨年、ベネズエラ人の4歳児がジフテリアで死亡する事態が起きたが、今回は、ベネズエラ当局が流行の可能性を口にした事もあり、早急な対応を求められている。
 保健省は既に、専門家を派遣し、ジフテリアの診断方法や治療法に関する講義を行っており、今後は、ベネズエラ人を中心に予防接種も行う予定だ。
 ブラジル国内の予防接種カレンダーには、ジフテリアの予防接種が含まれているが、接種率は100%ではないため、ブラジル人への対応も考慮する必要がある。
 ロライマ州では、母国で感染したベネズエラ人が持ち込んだのを発端とする麻疹(はしか)の患者も確認されており、3月10日からは予防接種キャンペーンも始まった。26日までに確認された麻疹の患者は40人(内ベネズエラ人の子供2人は死亡)で、他の113人は感染の有無を確認中だ。
 スエリー・カンポス道州知事は、ブラジル人とベネズエラ人、計40万人に予防接種を実施する事を目標に掲げている。
 また、28日には、陸軍のエドゥアルド・パズエロ司令官が、4月5日から、ベネズエラ人300人を他州に移動させる計画を実施すると発表した。移動には国軍機が使われ、費用は国防省に回された難民対策費1億9千万レアルで賄われる。
 今回の難民300人の移動先は、サンパウロ、パラナ、エスピリトサントの3州で、全員が登録後に予防接種を受け、監察期間を置いた後の出発となる。ロライマ州では現在、州都のボア・ヴィスタだけで4万人のベネズエラ人がおり、州レベルの対応能力を超えていると判断されていた。国境警備に当たっている国軍兵によると、国境を通過するベネズエラ人は1日平均450人で、少なくとも50人は、住居や食料、医療を求めて国境を越えているという。(27日付フォーリャ紙サイト、27日付バンジ局ビデオ、26、28日付G1サイトなどより)