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四世ビザ=7月1日から施行開始=年齢制限など条件変更なし=意見公募に130件集まる

イメージ画像(出典: Wikimedia Commons)

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 日系四世の日本での就労可能な在留資格を与える新制度について実施されたパブリックコメント(意見公募)で、日本時間の30日、集まった意見130件の内70件が意見公募サイトで公開された。年齢制限、家族帯同不可、入国時、在留期間更新時の日語能力等の条件に変更はないと見られ、本制度施行は7月1日に延期となった。意見公募は1月23日から約1ヵ月間行なわれ、集まった意見を踏まえ3月末までに省令を発表、施行する見込みとされていた。

 同制度の目的は、一定要件を満たす日系四世の方々を受入れ、日本文化を習得する活動等を通じて日本に対する理解や関心を深め、日本と現地日系人社会との結び付きを強める懸け橋となる人材を育成し、帰国を前提としたもの。
 そのため、「年齢制限」「日語能力の条件」家族帯同不可」の変更を希望する意見があったが、「制度目的達成のため必要な条件」とされた。また、「単純労働力確保が目的ではない」とし、就労だけを目的とした入国は認められない。
 「在留期間中、一定の要件を満たすなど問題のない者についてはその後も在留可能にするべき」との意見には「今後検討する」とした上で、同制度による入国者が他の在留資格の要件に適合する場合には、在留資格の変更が認められる可能性もあると示唆した。
 また、58番目の意見「日系四世受入れサポーターのなり手が少ないのではないか」には「御意見を踏まえ、制度の施行を7月1日とする」とし、施行日までサポーター確保など準備を行なっていくと返答した。
 日系四世の日本での活動を支援する「日系四世受入れサポーター」になれるのは親族やホストファミリー、雇用主などの個人または非営利団体。ビザ取得の援助のほか、四世の活動報告などを行なう。ボランティアのため派遣会社は不可となる。
 そのほか、送出し機関や日系四世受入れサポーターになりうる雇用主からの搾取などを心配する声には「日系四世が不適切な扱いを受けないよう制度の適正な運用に努めていく」とした。


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 日系四世受入れ制度への意見の中には「五世以降の在留資格についても配慮すべき」という声も。「頂いた御意見は今後の出入国管理政策に対する御意見として承ります」と返答した。また二、三世と同様の定住者資格を与えるよう求めた意見もあったが、制度目的の違いから否定した。日系四世からは「定住」を望む声も多い。現行の取扱いでは、原則10年以上在留している人を永住許可の対象としている。同制度による入国者の在留資格変更が認められる可能性もあり、希望はあるかも?公示された意見を見たい人は意見公募サイト(http://ur2.link/JhBF)まで。