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第62回パウリスタ・スポーツ賞=特別賞8人含め25氏に栄冠=110周年記念して将棋にも=サンパウロ市議会で4日に授賞式

 伝統あるニッケイ新聞主催の『第62回パウリスタ・スポーツ賞』授賞式が来月4日夜、サンパウロ市議会の貴賓室で行われ、25人に栄えある記念プレートが授与される。戦後の日系スポーツ振興を目的に創設され、今年で62回目を迎えた。今回は日本移民110周年を記念して特別賞に将棋部門を設けた。それを含めた特別賞5種8人に加え、17の競技から日系社会やブラジル社会で活躍した選手、団体運営など裏方で貢献した人物が選ばれた。式典を前に各人の経歴を紹介する(ABCで競技名順(ポ語)、敬称略)。

尾迫幸平

尾迫幸平さん

【特別賞・相撲】尾迫幸平(91、鹿児島県)
 6歳のときに家族と渡伯し、サンパウロ州アラサツーバ市に入植。1951年に日本から相撲の使節団が来伯したことをきっかけに相撲をはじめ、数々の大会に参加、多くの賞を獲得した。「西之海」という四股名を得て、大関にまで昇格した。56年にはサンパウロ市に引越し、日本の相撲の試合をテレビで楽しんでいる。

 

 

アントニオ・トミヒコ・シミズさん

アントニオ・トミヒコ・シミズさん

イギネス・ミツさん

イギネス・ミツさん

【特別賞・陸上】アントニオ・トミヒコ・シミズ、(90、86)
 アントニオさんが初めて入賞したのは1984年、サンパウロ市で行われた南米大会。三段跳びで2位を獲得した。また08年には世界マスターズ陸上の高跳びで優勝した。イギネス氏は89年に和歌山で行なわれた国際大会の100メートルで第2位に。00~02年にはAVONのマラソン大会5キロで3回、01、02年にアディダスのマラソン大会8キロで2回の連続優勝を果たした。

小野恵全

小野恵全さん

【特別賞・合気道】小野恵全(92、東京都)
 小野さんは1925年に生まれた。1934年4月にマニラ丸で渡伯した。06年に師範級を取得した。合気道の道場、合気道研究協会(APA)は小野さんによって設立された。また昨年サンパウロ州議会からスポーツ名誉賞を受賞したほか、自身の自叙伝を出版した。

 

 

 

川合昭

川合昭さん

【特別賞・将棋】川合昭(83、秋田県)
 1962年3月に渡伯。02年に将棋5段取得。04年、全伯老中戦大会で優勝。ブラジルでの将棋歴は57年にもなる。また、90―91年度、04―05年度、10年から現在もブラジル秋田県人会の会長を務めている。2016年からブラジル日本都道府県人会連合会の副会長などを歴任している。

 

 

松田孟

松田孟さん

敏江

敏江さん

【特別賞・陸上】松田孟、敏江(83、74)
 孟さんは青年の頃から陸上をはじめ、36年間の競技人生で様々なトロフィーやメダルを獲得。州や国内のほか外国で行なわれた大会にも参加した。『健康青年大会』の創設者でもある。敏江さんは12歳から陸上を始め、1981年には夫の孟さんと共にアダマンチーナ文協(Acrea)で陸上の指導者として活躍。昨年にはAcrea陸上部での活動を表彰され、陸上競技場に夫妻の記念碑が建立された。

東美代子さん

東美代子さん

【特別賞・ゴルフ】東美代子(91、奈良)
 東さんは45歳でバストス・ゴルフクラブに通い始め、現在も週5、6日練習に励んでいる。また、73歳のときに同市卵祭りのトーナメントを73打で終えた。2年後の75歳のときには女子大会で75打を記録。2010年の82歳のときに82打で終えるなど、現在も若々しく活躍している。亜国やチリで行なわれたシニア大会で優勝するなど輝かしい功績を残した。

 

パウロ・ロベルト・ケンイチ・キヨナガ

パウロ・ロベルト・ケンイチ・キヨナガさん

【陸上】パウロ・ロベルト・ケンイチ・キヨナガ(28、三世)
 1996年、7歳の頃からマイリンケ文協で両親の影響で陸上を始め、大会に参加。2011年にパラグアイのアスンシオンで行なわれた大会では400メートルなど個人競技で銀メダル、400メートル×4リレーで金メダルを獲得した。今年もチリのサンチアゴで行なわれた大会の800メートル個人走で銀メダルを獲った。ほかにブラジル日系陸上代表に5回召集された。現在は聖南西代表選手の指導に当たっている。

 

アンドレ・カズヨシ・キリハラ

アンドレ・カズヨシ・キリハラさん

【野球】アンドレ・カズヨシ・キリハラ(32、二世)
 キリハラさんはコチア組合陸上クラブで野球を始めた。1999年伯年少大会で優勝し、個人賞にも入賞した。同年墨国で行なわれた汎米年少大会でも優勝。イビウーナのヤクルト野球チームでも活躍し、高校や大学野球チームを経て現在はサンパウロ総合大学(USP)の薬学部チームに所属している。16年伯青年大会で準優勝、優秀外野守備、17年同大会準優勝、優秀打者、外野守備として表彰された。

 

マリオ・マサヒロ・ヌマダさん

マリオ・マサヒロ・ヌマダさん

【ゴルフ】マリオ・マサヒロ・ヌマダ(63)
 サンパウロ州プロミッソン生まれのヌマダさんは1977年にアルジャーゴルフクラブに入会。その後、同クラブ内で理事長や会長など様々な役職を経験した。会長時代はクラブの成長を牽引し、16年、18年には高齢者向け世界大会を同クラブで開催した。今年1月には同クラブ初の青年ゴルフ世界大会が開催された。

 

 

サダツグ・ヤマグチさん

サダツグ・ヤマグチさん

【ゲートボール】サダツグ・ヤマグチ(70、山梨県)
 1948年に山梨県で生まれた山口さんは66年に移住し、カンピーナスへ。94年にサンパウロ州カンピーナス市の東山ゲートボール協会で競技人生をはじめ、05年からブラジルゲートボールクラブ連盟に入会、現在では副会長を務めている。第10、11回世界ゲートボール大会にも参加した。

 

 

清原みどりさん

清原みどりさん

【健康体操】清原みどり(67、北海道)
 1961年1月に家族とともに来伯、サンパウロ州内のムンド・ノーヴォ植民地に入植した。09年にブラジル健康体操協会第3期准指導員講習会を受講し、全日本健康音楽協会の准指導員に認定された。その後、日語教師や民謡審査員としての経験を活かし、アルジャーの婦人会や日語学校で健康体操の指導をしている。
 16年の健康体操10周年フェスティバルの際には日語校生徒の参加を主導した。健康体操を通じ日語校生徒に日本文化の継承、体力の向上に貢献している。

アンテノル・ユウゾウ・サトウ

アンテノル・ユウゾウ・サトウさん

【相撲】アンテノル・ユウゾウ・サトウ(48、二世)
 サトウさんは家族が相撲をしていたのをきっかけに1976年からはじめた。南大河州の相撲チームに入り、98年にはブラジル代表チームへ。同年全伯大会の軽量級で優勝。また日本で行なわれた世界大会で3位に。現在は同州で相撲の指導をしており、相撲の普及に貢献している。

 

 

ダニエル・ファウスト・デル・アキーラ

ダニエル・ファウスト・デル・アキーラさん

【柔道】ダニエル・ファウスト・デル・アキーラ(47)
 全伯柔道大会で5度優勝、南米柔道大会で3度優勝。また、亜国のマル・デル・プラッタ市で行なわれた汎米大会で準優勝(1995年)したほか、世界の優秀な柔道家5人の内の1人に選ばれた(91年)。現在は2万5500人もの会員を抱えるモルンビー・パイネイラスクラブの会長を務めている。

 

 

山内盛宏

山内盛宏さん

【空手】山内盛宏(77、神奈川県)
 1940年、神奈川県横浜市生まれ。17歳から空手をはじめた。その後訪れた沖縄県で剛柔流を学ぶ。23歳の渡伯後も、剛柔流を学び続けた。68年にサンベルナルド・ド・カンポ市に道場を開いた。そして75年、剛柔流の伯支部「沖縄空手道剛柔流尚武館」を開いた。現在までに約5000人が学び、400人が黒帯を獲得した。空手を通じ、ブラジルスポーツ界、人格形成に大きく貢献している。

 

竹内大惠子

竹内大惠子さん

【剣道】竹内大惠子(70、高知県)
 1967年にサントス港着。41歳でサンベルナルド・ド・カンポ市のグレミオ・ルジ・ラーモス日本人会剣道部に入門した。93年、ブラジル三重県人文化援護協会の要請で夫の憲一さんと共に剣道部を創立、移籍した。07年、ブラジル剣道連盟の理事に就任。09年ラ米剣道連盟の理事に就任。また同年にブラジルで開催された第14回世界剣道大会で大会審判員ならびに役員の接待責任者を務めた。現在も同県人会剣道部の顧問として活躍している。

マリナ・フラヴィア・サイエヴァ

マリナ・フラヴィア・サイエヴァさん

【古武道】マリナ・フラヴィア・サイエヴァ(42)
 亜国で剣・居合・杖術を習い始めた初代の生徒の一人。2012年にヴィセンテ・ロペス支部の支部長となった。14年には亜国から「グアルディア・ダ・トラジソン・サムライ」賞を受賞。チリや米国などでも古武道のワークショップで腕前を披露した。また、10年からブエノスアイレス支部の役員としても活躍している。

 

 

レベッカ・ジニース・ラウジーノ

レベッカ・ジニース・ラウジーノさん

【ソフトボール】レベッカ・ジニース・ラウジーノ(17)
 2004年からジャイアンツ野球クラブでソフトボールをはじめた。11歳のときにゲセブスクラブで練習に励み、16年には現在も在籍するニッポンブルージェイズチームへ。ソフトボール伯代表チームにも入っている。15年南米大会(ペルー)で優勝。17年U―19世界大会(米国)で優秀代打者第3位受賞。また汎米青年大会優勝(ドミニカ共和国)、伯青年カップで優秀代打者賞、ホームラン女王になるなど活躍している。

 

 

アルヴァロ・ヤマカワ

アルヴァロ・ヤマカワさん

【マレットゴルフ】アルヴァロ・ヤマカワ(81、二世)
 日本カントリークラブに40年在籍している。テニスを始めてから30年、その間、30ものメダルやトロフィーを受け取った。マレットゴルフは15年続けており、メダルとトロフィーを90も獲得した。また、副会長職を22年間務めるなど様々な役職で同クラブの成長にも貢献した。

 

 

スミカワ・レイコ

スミカワ・レイコさん

【パークゴルフ】スミカワ・レイコ(74、二世)
 1944年にサンパウロ市で生まれ、その後パラナ州ポンタ・グロッサ市へ。ポンタ・グロッサ・ゴルフクラブに35年間在籍しているほか、同市日伯スポーツ文化協会に06年に入会。パークゴルフ大会にも参加しはじめる。また、2012年にロンドリーナ市で行われた南米大会で優勝を収めた。

 

 

セシリア・ヒガシ

セシリア・ヒガシさん

【リズム体操】セシリア・ヒガシ(60、二世)
 ヒガシさんは2010年からリズム体操を始めた。リズム体操開始後は同種目の練習に励み、日系社会で行なわれる多くのイベントに出演した。16年11月には指導員としての技術、マナー等の習得を認められブラジルリズム体操指導員に認定された。

 

 

グスタヴォ・ワタナベ・シマブクロ

グスタヴォ・ワタナベ・シマブクロさん

【テニス】グスタヴォ・ワタナベ・シマブクロ(45)
 現在クリチバ・テニス・クラブの会長を務めるシマブクロさんは35歳で日系社会の大会に参加し始めた。同大会個人戦で2回優勝、チーム戦で1回、またクーパー・テニス・クラブの大会のプレ・ベテラノ部門で3回優勝、スザノ・コロニア・トーナメント、ブラジリアのペアトーナメントで優勝経験を持つ。同テニス・クラブの会長を4期連続で務めるなどしている。

 

ルイス・タロウ・オヤマ

ルイス・タロウ・オヤマさん

【卓球】ルイス・タロウ・オヤマ(57)
 1960年4月10日にパラナ州グアイーラ市で生まれた同氏は、パラナ州のカトリック大学(PUC)の法学部卒。1975年から日系人向け大会に参加しはじめた。パラナ州大学生選手代表に選出されたほか、州・ブラジル内の様々な大会に参加し。ほか、2016年の高齢者世界大会(スペイン)参加など。

 

 

ジョアン・ヨリトシ・トライワさん

ジョアン・ヨリトシ・トライワさん

【射撃】ジョアン・ヨリトシ・トライワ(71、二世)
 1964年からスポーツを始めた。ブラジル野球・ソフトボール連盟でコーチを25年間務めたほか、パウリスタ野球・ソフトボール連盟のソフトボール部長としても活躍した。また、2007年にリオで行われたソフトボール汎米大会でブラジル代表チームの団長となった。