ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》石油、天然ガスの開発入札を実施=22鉱区総額で約80億レアル=昨年の倍以上で最高額を更新

《ブラジル》石油、天然ガスの開発入札を実施=22鉱区総額で約80億レアル=昨年の倍以上で最高額を更新

ペトロブラス社の海底油田採掘施設(参考画像・Stéferson Faria/Ag. Petrobras)

ペトロブラス社の海底油田採掘施設(参考画像・Stéferson Faria/Ag. Petrobras)

 1999年以来15回目となる、石油や天然ガスの開発権の入札が3月29日に行われ、22鉱区が総額約80億レアルで落札されたと、3月29、30日付現地紙・サイトが報じた。
 この金額は、最低入札価格の7・2倍以上であるだけでなく、前回の17年9月に記録した約39億9千万レアル(インフレ調整済)の2倍以上となる、史上最高額だ。
 政府は入札による収入を約45億レアルと見積もっていたが、それを35億レアルも上回る結果が出た。これを受け、今年6月に予定されている岩塩層下の油田入札と合わせた、年間合計収入予測を80億レアルから120億レアルへと引き上げた。
 鉱山動力省石油・天然ガス・バイオ燃料局長のマルシオ・フェリックス氏は、「驚くべき結果で大成功」と評し、国家原油庁(ANP)のデッシオ・オッドーニ長官も、「落札企業が集中する事もなく、幅広い地域での採掘権が落札され、非常に素晴らしい結果」と手放しの喜びようだ。
 今回入札にかけられたのは、海底鉱区47、地底鉱区21だ。落札されたのは海底鉱区の22鉱区だけで、地底鉱区の落札はなかった。
 落札企業には、石油公社のペトロブラス(PB)社やケイロス・ガルボンといったブラジル企業だけでなく、8カ国からの外国企業10社が名を連ねた。
 その中には、ドイツのウィンターシャル社がいた。同社は2005年にブラジルから撤退したが、今回は7鉱区を共同企業体(コンソーシアム)または単独で落札した。総額は3億3千万レアルに及ぶ。
 今回も、落札企業陣の中で主役の地位を占めたのはPB社で、コンソーシアムで6、単独で1と、合計7鉱区を落札した。PB社が米国エクソン・モービル社らとコンソーシアムを組んで落札した3鉱区は、28億レアル、21億レアル、15億レアルと、3大落札価格を独占した。これらの3鉱区は全て、リオ州沖のカンポス堆積盆地にある。
 ペドロ・パレンテPB社社長は、「落札した鉱区は多くの利益が見込めるため、落札額もそれなりの額になった」としている。PB以外ともコンソーシアムを組み、8鉱区を落札したエクソン・モービル社の代表者カルラ・ラセルダ氏は、「当社はブラジルへの投資に非常に前向きだ」と語った。